歌词
誰かが丁寧に用意してくれた
「個性」という名前の分厚い教科書には
恋人の選び方から ため息のつき方まで
全て 事細かに記されているそうで
その冒頭、目次よりもっともっと前の冒頭
そこには赤いバッテンで大々的に消された
「思考」「抵抗」の思いの通わなくなった 二つの意志
陳列されるや否や 左から順々に消えて行くその教科書と
自らを主張するべく芯で 着火を待つ 火種
経験、覚えているのかい?
見るもの全てがそのまま そっくりそのまま正解だった景色と
全て許せると信じきった未来
鮮明、見るものに何色もの色が輝いていた あの頃の自分
対峙する準備が出来ているのならば一歩だけでいい
柵をとっぱらって踏み出してみて欲しい
そういやさっきの子も こないだ会ったあの子も
今しがたここに居たあの子もあの子も
みんな好みが同じようだったんだけど
そんな偶然って果たしてあるのだろうか
またあの教科書 疑いをなくした自身に示されたのは
不可抗力にも似た他人の意志
ひょうひょうと滑り込み あたかも常識だ、と言わんばかりに
その場で胡座をかく
想像力の欠乏が呼び寄せた
暗闇にも似たシステマチックな構造は
歯車になる事を耽々と推奨
対抗、考えるという行動すら無駄と促す
「みんな」という不特定多数の常識
それらは知らず知らずに散布された危険因子
炎上、ふつふつと湧き上がる
それにそっと火をつけるのも自分自身
線引き、壁、隔たりを超えて
二本の足で立ってみせるのも自分
経験、覚えているのかい?
見るもの全てがそのまま
そっくりそのまま正解だった景色と
全て託せると信じきった未来
鮮明、見るものに何色もの色が
輝いていたあの頃の自分
対峙する準備が出来ているのならば一歩だけでいい
柵をとっぱらって踏み出してみて欲しい
その場でまごまごと躊躇した結果
経験したあの鮮明な景色は 対抗すら出来ず炎上
今 赤いバッテンの下の意思を尊重
胡座をかいた常識に抵抗
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