歌词
底の 底の底の底
マリアナ海溝の奥深くから呼びかけている
メーデー、メーデー、メーデー
こちらは第五万四千百七十八次遠征隊
どうやらエアタンクにも亀裂が生じたようだ
レギュレーターに送られる空気が乱れ始めているのを感じる
これ以上はもう水圧に耐えられず
浮上することさえままならなくなってしまった
我々は幾度となく失敗し
それでも今日まで探求の灯を絶やさず
果てに何が待っているのかも分からず
しかし我々には 前進以外の選択肢は無かった
後悔や罪悪感
悲しみや虚しさを重りとして身体に巻き付け
人類最後にして最大の海
心の中心へと再び潜行を試みた
水深5M
身体が少しずつ海中に慣れていく
巻き付けた重りは 今のところ上手く機能していた
全てを焼く程の太陽光が海中に降り注いでいる
水深20M
表層はとても煌びやかな世界だ
わざとらしいほど極彩色の珊瑚礁が並び
いかにも楽しそうな様子で魚達が群れを成していた
水深100M
太陽光が薄くなり  心は本来の様相を呈し始める
一頭のイルカが 頭上から我々を見ていた
「私は忠告したぞ」と言っているように見えた
水深200M
有光層を過ぎ無光層に到達した
今にも飲み込まれそうなほどの暗黒の中にいる
ここが深海の始まり  心の中心はまだ遥か先だ
水深6000M
異形の深海生物に捕食されかける
あれはきっとあの日の後悔と罪悪の塊
深層は遂げられない思いの残骸で溢れかえっている
忘れられない思い出  言えなかった言葉と言ってしまった言葉
腐臭を放つ本音と欲望に耐圧スーツが軋み始めていた
肺が悲鳴を上げている  口を開けた真っ黒い闇についに飲み込まれる
メーデー、メーデー、メーデー
こちらは第五万四千百七十八次遠征隊
我々はまた失敗するのだろうか
誰にも見つからないまま 拭い去れない感情に潰されて死ぬのだろうか
いつになれば我々は過去を許せるのだろうか
過去を抱え続けることは本当に無意味なのだろうか
二度とは来ない  通り過ぎた列車が来るのを 今もずっと待っているのに
水深10000M
心の底の底の底から呼びかけてい る
ずっと  ずっと
专辑信息
1.わらけてくるわ
2.イエスタデイワンスモア
3.さよなら以外
4.覚えていようと思ったよ
5.せめて綺麗に
6.人類教ノスゝメ
7.犬になりたい
8.
9.僕だけの真相
10.完璧な人間
11.déclassé
12.遠征録