歌词
明治三十二年(1899)
青葉茂れる桜井の
里のわたりの夕暮れ
木の下陰に駒止めて
世の行末をつくづくと
忍ぶ鎧の袖の上に
散るは涙かはた露か
正成涙を打ち払い
我子正行呼び寄せて
父は兵庫に赴かん
彼方の浦にて討死せん
汝は此処迄来れども
とくとく帰れ故郷へ
父上如何にのたもうも
見捨て奉りて我一人
いかで帰らん帰られん
此の正行は年こそは
未だ若けれ諸共に
御供仕えん死出の旅
汝を此処より帰さんは
我が私の為ならず
己れ討死為さんには
世は尊氏の儘ならん
早く生い立ち大君に
仕え奉れよ国の為
此の一刀は往し年
君の賜いし物なるぞ
此世の別れの形見にと
汝に此れを贈りてん
行けよ正行故郷へ
老いたる母の待ちまさん
共に見送り見返りて
別れを惜しむ折からに
復も降り来る五月雨の
空に聞こゆる不如帰
誰か哀れと聞かざらん
哀れ血に泣く其の声を
終わり
专辑信息
1.船頭小唄
2.ゴンドラの唄
3.さすらいの唄
4.カチューシャの唄
5.波浮の港
6.真白き富士の嶺
7.鈴懸の径
8.白い花の咲く頃
9.美しき天然
10.鉄道唱歌
11.山の煙
12.新雪
13.朝はどこから
14.さくら貝のうた
15.白樺の小径
16.青葉の笛
17.桜井の訣別
18.あおげば尊し