歌词
「わかれよう」
言い出したのは僕のほうだ。
はづみといえばはづみ、
でもその時二人の間に積りに積もったなにかが、
音を歌ってて弾けた。
「わかれよう」
食事が終わった後のテーブル、彼女は散らばったパン屑を、
ジッと見つめていた。
彼がその話を切り出すのはなんとなく分かっていた。
でも、いざ言われると、涙が込み上げた。
あたしは思い出していた、誕生日とか、クリスマスとか、
そんな特別な日のことではなくて、
いつもの彼との日々。
待ち合わせは大体あたしは遅れていて、
彼が先に飲んでいる。
あたしがその席に座って、お店の窓を少し開ける。
彼が聞く、今日は仕事どうだった。
やさしく、いつくかの季節が通り過ぎた。
だけど……
楽しそうな町が胸を締め付けた。
あたしも彼も一度決めたことを簡単に変えがしない。
わかれよう、
その決意が崩れる可能性は限りなくゼロに近い。
彼女の横顔、そんなり言い歩きながら見るのは、
たぶんこれが最後だ。
何か言いたいけど、駅が近づいてくる。
「じゃ、仕事頑張って。」
「うん。じゃ、ここで。」
わたしは一瞬笑顔を作って、
それからくるりっと背を向けて、
改札を向かって歩き出した。
涙がこぼれないよう、ちょっと上を向いて。
僕は彼女が人ごみに消えるまで、
見慣れてる後ろの姿を、
見つめていた。
<歌>
あの日から一ヶ月、北風が冬を運んできた。
僕は仕事に打ち込んでいる。
でも、
彼女の最後の笑顔が、時折胸の奥を刺激した。
聞こえないはずの声が、どこかで響いている。
なんでことだ…
わかれようと言い出したのは僕のほうだ。
なんでことだ。
いまさらやり直したいなんて男らしくない。
だけど、僕はメールを書いた。
「大事なことにやっと気づいた。
君と話したい、なんでもないことを話したい、
今日あとたいろいろを、一日の最後に話たいのは、
キミなんだ。
人生で最大のミス、挽回するチャンスをくれないか。」
もう一度あの店で会いたい。できれば、初雪が降る前に。
まったく。
「じゃ、いつものお店で。」
1時間後、あたしがメールを返した。
彼女はボクを受け入れくれるだろうか、
こんなり勝手で、どうしようもなくて、やさしくなくて、
いや、やさしくあろうとは思うけれど、うまくできないボクを……
カフェの窓から見える、雲の切れ間、
冬の月が輝いている。
神様、ボクに少しの幸運を、二人に少しの幸運を……
「ごめん、遅れちゃった。」
遅れてくるのはいつも通り。
でも、いつもと少し違う顔だ。
「大丈夫、大丈夫。」
「今日も仕事忙しかった?」
そしてボクは話始めた。
ゆっくりと、彼女の心の真ん中に届くように。
<歌>
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