歌词
遠く聞こえるお囃子の
音色響けば花開く
心の奥に置いてきた
淡い記憶 今よみがえる
雨上がり 茜空
菖蒲浴衣 帯をきゅっと(しめて)
片手の鏡覗いて
履き慣れない下駄鳴らし
この日のために買った
鬼灯のかんざし(さして)
君の後ろ歩く
(風に)やわらかくなびく髪
(君は)こっち見て微笑んだ
(わたし)頬赤く色づいて
君を近くで見ていたい
そう思っていたはずなのに
いつもと違う優しさに
戸惑って目を逸らした
わざと顔覗く君には
どうしたって敵わないよ
足元さえも定まらず
いつまで顔を照らすの
懐色坂
雨ふり 灰色空
会えないたびに指を
何気なく動かし折った
不器用な鶴はわたし
数が増えるばかりで
飛び立てないまま
夏が終わるなんて
(ふいに)揺れる袖掴まえて
(そっと)人混みにごまかした
(お願い)気づいて、気づかないで
君を幾度も追いかけた
けれど今では傍らに
いつもと違う距離感に
息吸うのも忘れて
"恋"とは誰が名付けたか
まるで不治の病のように
この身も心も溶かして
あぁ、もう日が暮れてゆく
懐色の面影は淡い夢のまま
「しのぶれど」口にして
はっとして君を見た
二人頬色づいて
君の凛とした横顔を
屋台の灯がほのり照らす
いつもと違うまなざしに
高鳴る鼓動痛いよ
細くふるえた告白と
声をかきけす花火の音
泣きそうな顔お面で隠し
いつかは、と強く願った
懐色坂
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