きみのせいだよ.

寒くなってきたから、ホットココアをふたつ

ひとつ飲んでもいいけど、家まで送ってよ

後部座席がいつも空いているのはなぜ？

「恋人はバイクさ。」なんて、あいかわらずだね

砂のトンネルを作ったり、ブランコ取り合いしたり

ちいさな頃から誰よりも近くで、きみをみてきた

カッコ悪いところも、たくさんわかってる

物語にはならないふたりと思ってた

仲間で一番かわいいあの子が、突然わたしに相談してきた

「あなたみたいになれそうもないけれど、

“彼女”にはなれるかな？」

その時、

せつないくらい、せつないくらい、せつないくらいに

胸が痛んだ

感じたことのない衝動

理解を超えて立ちすくむ

大切だから、大切だから、大切だから

守りたいんだ

どこに辿り着けばいいの？

こんな気持ちになるのは

きみのせいだよ。

寒くなってきたから、ホットココアをひとつだけ

送らなくて大丈夫、ひとりで帰れるよ

バイトの帰り道、星空の下

偶然きみに見つかって、たじろぐ

「遅いから乗れよ。」と飾らない声

無理に手を引かれたの

息もできないくらい、できないくらい、できないくらいの

恋をしてるんだ

まわす腕、飛ばすバイク

キスさえ届きそうな距離で

見慣れた背中、カーブの度に追いていかれそうで

涙になった

むなしく夜空に溶かすの

風がかき消す言葉は

『きみがすきだよ。』

せつないくらい、せつないくらい、せつないくらいに

胸が痛んだ

きみのせいだよ。

息もできないくらい、できないくらい、できないくらいの

恋をしてるの

きみのせいだよ。