歌词
第十一課 日本語の学習
本文
今、日本語の学習者が多くの国でブームとなっている。
特に若者の日本語学習者数の伸びが目指しく、日本へ来る留学生もずいぶん増えている。
国際交流における日本語の重要さもこれから見直されるであろう。
王さんが中国から日本へ来てもう二年半になる。
時のたつのは実に早いものだ。
王さんがまだ日本語の勉強を始めたばかりのころ、先生が「二年もたてば、かなり上手になる」と言われたが、
確かに先生の言われたとおりだ。
よく日本語は難しいと言われる。
王さんの学ぶほど難しくなるような気がする。
王さんは日本語の勉強でずいぶん苦労したにもかかわらず、語彙と文法の点ではまだまだ分からないところがある。
彼は今、留学の時間を十分に利用して無駄のない毎日をおくっている。
そして、来年の夏までに日本語が完全に身につくよう努力したいと思っている。
会話
鈴木 王さんのように日本語が達者になるまでにはずいぶんご苦心があったでしょうね。
王 いや、私などは達者どころではありません。
時々下らない間違いをして、お恥ずかしいくらいです。
でもこの頃はいくら分かってきたような気がします。
鈴木 いくらかどころじゃない。
ほんとによくお分かりなんだから、そうご謙遜なさらなくでもいいですよ。
私はいつも感心しているんですが、発音や調子が日本人そっくりなので、
どうしてそんなにお上手になったのかと思っているんです。
王 そうおだてると本気にしますよ。あなたは口がお上手だから。
鈴木 いや、おべっかじゃありません。
たいていの中国人の日本語には、どことなく中国人臭いところがあるものですが、
あなたのにはすべてそれがなく、いかにも自然なので、実はいつかお伺いしたいと思っていたんですよ。
王 日本語の発音はさほどのことはありませんが、閉口するにのは長音と短音の区別ですね。
これはよほど気を付けないと間違いますね。
鈴木 日本語では何が一番難しいですか。
王 日本語の名詞、代名詞、形容詞、副詞などの使い方は比較的簡単ですが、
動詞や助動詞の変化はややこしくて閉口ですね、ことにテニヲハときたら、お話になりませんね。
鈴木 そう言えば、中国の「四声」だってそうでしょう。
王 それはそうですけれども、日本語ほどじゃないと思いますね。
その証拠には鈴木さんの中国語はなかなか上手じゃないですか。
鈴木 あなたもなかなかお世辞がうまいですね。
我々の中国の「四声」ときたらめちゃめちゃですよ。
王 「四声」は字や語彙や短文をくっつけて覚えるほうがいいですね。
鈴木 それはそうでしょうが、それを覚えるのができないんですよ。
僕のように忘れっぽい者には、単語や熟語を暗記するだけでさえやっとなのに、
「四声」の規則や例外をいろいろ詰め込まなくちゃならないんですから、本当に嫌になっちゃいますね。
王 私も忘れることと、怠けることにかけては、引けを取らない方ですから、
ほかの人のことは言えないんですが、結局は根気の問題ですね。
いくら頭のいい人でも根気がよくなければ語学はだめですね。
平凡ですが、コツコツやるより仕方がありませんね。
鈴木 確かにそうですね。私もあなたが日本語を話すくらい中国語が流暢に話せるといいですがね。
王 御冗談でしょう。私の日本語などはまだものになっておりません。
しかし前よりは少し上達したと思います。
ただ困ることは日本語には実姉と実子とか、私立と市立とかのように発音が同じで意味の違った言葉が多いのと、
単語の発音の似ているのが多いことですよ。
鈴木 そうでしょうね。我々でもずいぶん困るんですから。
王 それについてはずいぶん滑稽な失敗談がありますよ。
電車の中で、「下してくだいさい」と言おうとして、「殺してくだいさい」と言ってしまって恥をかきました。
鈴木 どうせ外国語で間違うのは当たり前ですから、「習うより慣れよ」というつもりで練習するんですね。
王 お互いにそのつもりで練習しましょうね。(長沼直兄『標準日本語読本』にもとづく)
応用文
一休さんの話
一休さんは臨済宗の禅僧一休宗純の愛称である。
その生涯に様々な逸話を残したことから江戸時代に説話集が作られ、頓智で有名となる。
昭和の中頃まで、絵本の童話や紙芝居の題材としてよく用いられていた。
テレビやアニメは一休をモデルとする「一休はなし」などの頓智話を原作としている。
「一休話」は民衆の願いを歴史上の人物に仮託した読み物である。
ある日、和尚様の碁の友達の竹斎さんから、使いの人が来て和尚様にこう言うのです。
「いつも、お寺の遅れまでお邪魔をして申し訳ありませんでした。
またには一休さんをお連れしてこちらへお出かけください。」
「それはありがたい。」
和尚様は、喜びました。そして、一休さんを連れて竹斎さんの家に来ました。
なんと大きな屋敷でしょう。前を川が流れていて、橋を渡ったことろが、竹斎さんの屋敷の門です。
ところが、橋を渡ろうとした和尚様が、ふと、立ち止まりました。
「……竹斎め、失礼なやっだ。わしを呼んでおきながら……。」
どうしたのかと、一休さんが見ると、橋の前に、立札が立っています。こう書いてあるのです。
「このはしをわたるべからず。」
和尚様は起こってしまいました。
「竹斎のやつ、自分の屋敷の橋を、直しもしない。
きっと、板が腐っているんじゃろう。馬鹿馬鹿しい。一休や、帰るぞ。」
けれども、この時、一休さんは、ははあと思いました。さては……。
そこで、和尚様に言いました。
「大丈夫です。橋の真ん中を通っていけばいいのです。」
一休さんは、すたすたと、渡っていきました。
「こ、これ、一休。危ないぞ。」
「平気、平気。」
とうとう、一休さんは、渡ってしまいました。
和尚様は、こわごわ、橋の真ん中を通って。
「やれやれ。」
そこへ、門を開けた。竹斎さんが現れました。
「ほほう!、来ましたな、一休さん。」
「はい、参りました。」
「だが、橋を渡る前に、立札が目に入らなかったかね。」
「見ました。見ました。」
「何と書いてありましたね。」
「このはしわたるべからず、とありました。」
そこで竹斎さんは、きっとして、
「ではなぜ、渡ってきたのですか。」
しかし、一休さん、すましたものです。
「はい、はし(端)わたるべからず、とありましたから、真ん中を渡ってまいりました。」
それを聞いて、さすがの竹斎さんも感心してしまいました。(寺村輝夫「一休さん」による)
単語
完全 身につく 達者 苦心 下らない おだてる 本気 おべっか
どことなく 然程 閉口 長音 短音 よほど 代名詞 形容詞
副詞 比較的 動詞 助動詞 ややこしい 殊に 話にならない
世辞 めちゃめちゃ 短文 くっつける 熟語 暗記 詰め込む
引け 引けを取らない 根気 平凡 こつこつ(と) 流暢
ものになる 実姉 実子 私立 市立 こっけい 失敗談 恥をかく
どうせ 当たり前 習うより慣れよ 一休 臨済宗 禅僧 一休宗純
愛称 逸話 説話集 中頃 絵本 童話 題材 アニメ(animation)
モデル(model) 原作 民衆 仮託 和尚 竹斎 使い 連れる
ありがたい 橋 門 ところが ふと 立ち止まる め 奴 わし
立札 べからず 板 馬鹿馬鹿しい ははあ さては すたすた(と)
恐恐(と) やれやれ きっと(する) 澄ます 端
专辑信息
1.第一课 话说日本
2.第二课 卡拉OK
4.第四课 日本料理
5.第五课 和服
6.第六课 争先恐后
8.第八课 垃圾
10.第十课 教育
11.第十一课 日语学习
12.第十二课 关于暧昧语
13.第十三课 拟声词与拟态词
14.第十四课 谚语
15.第十五课 为了友好
16.第十六课 五十岚胜
17.第十七课 中日经济的展望
18.第十八课 徐福东渡之谜