歌词
蘇芳:三月になった。
苏芳:三月来临
ある午後、私が何時ものようにぶらっと散歩のついでに
某个午后,我像平时那样出去散步
ちょっと立寄ったとでも云った風に節子の家を訪れると
稍微去拜访了一下節子的家
門を入った直ぐ横の植込みの中に
正对着门的地方
労働者の被るような大きな麦稈帽を被った父が
戴着劳动者喜欢戴的大麦秆帽的父亲
片手に鋏を持ちながら
一直手拿着剪刀
そこいらの木の手入れをしていた。
在修剪着树枝
私はそういう姿を認めると
当我看到那个身影时
まるで子供のように木の枝を掻き分けながら
像个小孩子一样推了推树枝
その傍に近づいていって
接近了他
二言三言挨拶の言葉を交わしたのち
在互相问候后
そのまま父のすることを物珍らしそうに見ていた。
就这样看着父亲劳作
(風の音と白羽蘇芳の書痴仲間の涼やかな声
(风的声音与书痴同伴苏芳清爽的声音
軽やかな声音が私の耳に
这轻柔的声音在我的耳中
静かな図書室の中
在宁静的图书馆中
密やかに響いていた。)
悄悄地回响着
蘇芳:父はなんだか困ったような顔つきをしたまま
苏芳:父亲不知为何露出一副貌似很困扰的表情
しかし私の方を見ずに
不过父亲并没有看向我的方向
自分の目の前にある木の枝の一つへいきなり鋏を入れた。
而是突然把手中的剪刀架在了眼前的一根树枝上
それを見ると、私はとうとう我慢がしきれなくなって
看见这幅场景,我终于忍不住
それを私が言い出すのを父が待っているとしか思われない言葉を
将怎么想都是父亲一直在等着我说出的那句话
ついと口に出した。
说出了口
「なんでしたら僕も一緒に行ってもいいんです。
让我一起来也没问题哦
いま、しかけている仕事の方も
现在,对那些正在工作的人来说也
丁度それまでには片がつきそうですから……」
私はそう言いながら
我一边这么说着
やっと手の中に入れたばかりの莟のついた枝を再びそっと手離した。
一边放开了手中握着的树枝
(瞳を瞑ったまま、車椅子の背に体を預け
一边闭着眼睛,将身体靠在轮椅上
白羽の朗読
一边听着
堀辰雄の中編小説「風立ちぬ」を耳にしているのは。)
白羽朗读的堀辰雄的中篇小说「風立ちぬ」
蘇芳:それから私達はそのサナトリウムのある山岳地方のことなど話し合っていた。
が、いつのまにか私達の会話は
父のいま手入れをしている植木の上に落ちていった。
二人のいまお互に感じ合っている一種の同情のようなものが
そんなとりとめのない話をまで活気づけるように見えた。
(書痴仲間に「お前の朗読が聞きたいんだ」と甘えた振りをしたのは
(以「想听你的朗读」的借口拜托了书痴同伴是因为——
ああ、そうだ、彼奴のせいだ。)
啊…是啊…都是那家伙的错…)
蘇芳:父は鋏をもった手で、庭木戸の方を示した。
私はやっと植込みの中を潜り抜けると
蔦がからみついて少し開きにくい位になったその木戸をこじあけて
そのまま庭から、この間まではアトリエに使われていた
離れのようになった病室の方へ近づいていった。
節子は、私の来ていることはもうとうに知っていたらしいが
私がそんな庭からはいって来ようとは思わなかったらしく
寝間着の上に明るい色の羽織をひっかけたまま
長椅子の上に横になりながら
細いリボンのついた、見かけたことのない婦人帽を手でおもちゃにしていた。
えりか:千鳥…
艾莉卡:千鸟…
蘇芳:えりかさん?
苏芳:艾莉卡?怎么了?
えりか:朗読を止めちまったな、済まない。
艾莉卡:让你的朗读停下了啊,抱歉呐
蘇芳:いいえ、いいの。何が聞こえた気がしたから。
苏芳:没事,只是感觉听到了什么声音
えりか:お前の朗読の巧さに唸ったのが声に出ただけさ。
艾莉卡:只是我被你的朗读技巧惊艳到而发出了声音而已
前にあったラプンツェルの時とは比べ物にならない。
你啊,跟之前演长发公主那会感觉完全不一样了呢
蘇芳:そんな…褒め過ぎよ。
苏芳:>///<,诶嘿嘿,哪有啦,夸奖过头啦
えりか:私は嘘と冗談を生まれてこの方言ったことがないのが誇りなんだよ。
艾莉卡:我可是以出生以来从没说过谎和开过玩笑为豪的人哦
蘇芳:もう。
苏芳:真是的~
(微笑み叩く真似をする書痴仲間へと猫の笑みを向け
假装微笑着给了书痴同伴一个猫之黠笑
視線は書棚に隠れた彼奴を取られる。)
视线却被藏在书架后面的那家伙夺走了
蘇芳:誰か居るの?
苏芳:有谁在那嘛?
えりか:気のせいだったよ。もう少し続けてくれないか?
艾莉卡:错觉啦。可以再继续读一会吗?
それっと…
还是说….
蘇芳:あっ。
苏芳:啊…
えりか:もっと傍で聞きたい。
艾莉卡:还想再靠近一点听
お前が声が小さいからなあ。
因为你的声音太小了啊
蘇芳:こんなにくっつきそうになるほど寄らなくても聞こえると思うけど…いいわ。
苏芳:虽然我觉得不需要贴得这么紧也能听到的说…好嘛
(書痴仲間の肩に頭を据えるようにして、耳を傾ける。
(把头靠在书痴同伴的肩上,侧耳倾听着
私の目は書棚に隠れ、私達を見遣る考崎千鳥へと向けられたのだ。
我的目光看向了藏在书架后面盯着我们的考崎千鳥
そう、書痴仲間へ甘えるようならしくない真似をしているのはアミティエの
没错,导致我请书痴同伴做起不像她风格的事的正是我的AMITIE
考崎千鳥のせいだ。
考崎千鳥的错
江戸の敵を長崎で討つってやつだぜ。
就像是在长崎讨伐掉江户的敌人一样DA★ZE
「千鳥には嫉妬して貰わないとな」そう呟きながら
「必须让千鳥也感到嫉妒才行呢」一边这样嘟囔着
何故らしくない真似をしたのか、ここ数日前の事を思い返した。)
想起了做这么不符合我风格的事的原因,那是几天前的事情…
(今から少し前の事。
(前阵子的事儿
アミティエである考崎千鳥と協力し、
在我的AMITIE——考崎千鸟的帮助下
遅れに遅れてしまったバスキア教諭へのプレゼントを渡すことに成功した私達。
成功地把迟来的礼物送给バスキア教諭的我们
手作りのアクセサリを千鳥と作ったことによって
借着和千鸟一起做手工饰品这件事
更に絆は深まったと思ったが…
更一步加深了我们之间的羁绊…虽然很想这么想
ここ最近、千鳥の奴の態度が可笑しい。
最近,千鸟那家伙的态度很奇怪
妙な態度になったというか…
与其说是奇怪的态度…
いや、態度が可笑しいのはいつも通りなんだが、余所余所しくなったというか…
不…虽说态度很奇怪是常有的事情了…应该是说变得更加奇怪了吧…
それに、最近、書痴仲間である白羽とよく釣るんでいるのも気になる。
而且也很在意千鸟最近经常和书痴同伴白羽混在一起的事情
唯一の友人を取られて嫉妬してるわけじゃないが…)
虽然不是因为唯一的友人被抢走了而感到嫉妒啦…
フラワーズ?サウンドドラマCD~夏空の光
Flowers Sound Drama CD~夏空之光
えりか:(欠伸)おい、また此奴は…
艾莉卡:(打哈欠)啊~~~~…嗯?这家伙又…
千鳥:…
千鸟:…
えりか:何度言っても私のベッドに忍び込みやがる。
艾莉卡:无论说多少次都会钻到我的被子里来
暑くて寝苦しいだけだってのに…おい、起きろ!
只会热得睡不好而已啦…喂,给我起来!
千鳥:…
千鸟:zzzzzzzzz…
(揺らしたっていうのに起き上がらない。
(明明都摇她了还是起不来
千鳥は切れ長の瞳をしっかりと閉じ、朝の眠りを楽しんでいる。)
千鸟的眼睛实实地闭着,享受着赖床地快感)
えりか:私は…何時もお前がするように襲っちまうぞ。
艾莉卡:我要学你那样袭击你了哦…
(無防備な唇を見詰めた、
(看到了千鸟没有防备地嘴唇
薄いあどけない唇は色付きのリップを塗ったかのように鮮やかな桜色だ。)
薄薄的嘴唇像是涂了唇彩一样显现出美丽的樱色)
千鳥:…
千鸟:…
えりか:黙っていれば美人なんだよな…
艾莉卡:不说话的话还真是个美人呢…
(いや、性格も初見ではむかつく奴だとしか思っていなかったが
(不,虽说初次见面时觉得是个性格很恶劣的人…
歯に衣着せぬ物言いは裏を返せば素直で実直だってことだ。
从有啥事都直说这点来看还是个坦率的人…
私はそいつにだいぶ助けられた。)
我被这家伙帮了很多呢)
えりか:千鳥
艾莉卡:千鸟~
(自分でも分からぬまま、何かに突き動かされたように
(自己也不明白,像是被什么东西拨动了心弦一般
私の指は千鳥の唇に誘われ、触れた。
我的手指被千鸟的唇所引诱,碰了一下
触れた刹那、心臓を掴まれたような気分になり
碰到的一瞬间,心脏像是被抓住了一般
手を引いてしまったが、胸に沸いた不可解な感情を確かめるよう
虽然把手拿开了,但像是要确认胸中沸腾着的自己也不明白的感情
再び、桜色の薄く柔らかな唇をゆっくりと指でなぞった。)
再次,用手轻抚了那又薄又软的樱唇
千鳥:…
千鸟:…
えりか:何時もとは逆だな…
艾莉卡:跟平时反过来了呢
(私を避けるような余所余所しい態度に臆病になっているのかもしれない。
我感受到的那种千鸟在避开我的那种微妙的态度,也许是我多心了吧
千鳥の敏感な部分に触れていると、彼女と心が通い合った気がした。)
每当触碰到千鸟敏感的地方,就有种和她心意相通的感觉
えりか:心配させてくれるのよ…
艾莉卡:别让我担心啊…
(唇に触れていた指を離すと
把放在嘴唇上的手指拿开
傍らで安らかな寝息を立てている千鳥へと自然と顔を寄せた。
自然而然地将脸靠近了在身边安稳睡着的千鸟
自分でも何をしようとしているのか説明出来ない。
自己也说不清自己到底想干什么
こんな恥ずかしい真似、何時もなら絶対にしない。)
这么羞耻的事情,平时是绝对不会做的。
えりか:千鳥…
艾莉卡:千鸟…
(怖々と重ねた唇は、触れるか触れないかの物だったが、それでも私の心を温めた。
(小心翼翼地重叠了双唇,连触碰到与否都无法察觉。即便如此,心中也感到暖暖的
穏やかな春の朝を思わせる気持ち、彼女と私は繋がっているのだ。)
让人想起平静的春日的早晨一般的心情,她与我是紧紧联系在一起的啊
千鳥:えりか?
千鸟:……艾莉卡?
えりか:ようやく御目覚めか?
艾莉卡:终于醒来了?
千鳥:(笑い)私のベッドに潜り込んだの?
千鸟:诶嘿嘿~艾莉卡钻到我的被子里来了吗~?
えりか:お前が私のベッドに潜り込んだんだよ。
艾莉卡:是你钻到我的被子里来了
暦じゃ秋も近いがまだ暑い、寝苦しいだけだろうが。
虽说秋天也快来了不过还是很热啊,只会觉得睡着难受而已(哼~
千鳥:(欠伸)そんなことないわ、えりかと一緒の方がよく眠れるの。
千鸟:(打哈欠~~)才没那种事呢~和艾莉卡一起睡
安心するのね。
会更安心啦
えりか:抱き枕じゃないんだぞ。
艾莉卡:我可不是抱枕啊
千鳥:抱いてもいいの?
抱着你可以吗?
えりかの匂いだけで満足しようとしてるのに。
只是闻到艾莉卡的味道就会觉得很满足了哦
(「言ってろ」と言い。頭を小突く
(「你就贫吧」,一边这样说着一边敲了敲千鸟的脑袋
どうやら先の恥ずかしい一連には気付いていないようだ。)
看来刚刚那一串羞耻的行为没有被发现
えりか:(呟き)私の思い違いだったかな?
艾莉卡:是我的想多了吧…
千鳥:うん?何が?
千鸟:嗯?什么?
(朝に交わした遣り取りで、抱いていた疑念は晴れた。
(多亏了今天早上和千鸟的羞羞,我所抱有的疑问已经消失了…
そう思っていたのだが…)
虽然当时是这么想的…
えりか:まだ戻っていないのか?
艾莉卡:(我老婆)还没回来吗
(授業が終わり、私は図書室に寄ってからの帰宅だ
(放学后我在图书馆泡了一会才回宿舍
先に戻った千鳥はとっくに部屋に戻っていると思ったが…)
还以为千鸟早就回来了呢…
えりか:いや、鞄がある。部屋には一度戻っているのか?なら…
艾莉卡:不…包还在,也就是说已经回过一次宿舍了吗?那…
(何時もとは違う態度。
(和平时不一样的态度…
そして、不自然に仲の良い千鳥と書痴仲間…)
还有莫名其妙地关系好的书痴同伴和千鸟…
えりか:(呟き)まさかな…
艾莉卡:(嘟囔)不会吧…
(呟きながらも疑いを払拭する為
(一边嘟囔着,为了消除疑惑
ある場所へと向かうことにしたのだ。)
向某个地方进发了)
千鳥:ええ、そうなの、えりかが怒って。
千鸟:嗯嗯对对,艾莉卡生气了
蘇芳:それって怒ってるんじゃないと思う。
苏芳:我觉得那不是生气来着…
八重垣さん、照れ屋さんだもの。
因为八重垣同学爱害羞嘛
千鳥:まあ。そこが可愛いだけど(笑い)。
千鸟:嘛~,就是那样才可爱啦(笑
えりか:おい…嘘だろう?
艾莉卡:喂喂…骗人的吧…
(拭い去ろうとした疑いは最近頓に二人でこそこそやっている東屋で
(想要消除的疑惑是听说最近白羽和千鸟两个人老是悄悄咪咪地在东屋
白羽と千鳥が親密な様子で笑い合っているのを耳にして
看上去很亲密地在一起说说笑笑
更に深まってしまった。)
而这个疑惑越来越深了
えりか:一体…
艾莉卡:到底咋回事…
蘇芳:そう、そんなことが…意外だわ。
苏芳:是吗?还有那种事啊,很意外呢
千鳥:私の話は此れで御仕舞い
千鸟:我的话就到此结束
次は白羽さんの話を聞かせてほしいわ。
接下来想听听白羽同学的事呢
蘇芳:私の…ですか?
苏芳:我的…吗?
千鳥:ええ、私だけ話すのはフェアではないもの
千鸟:嗯嗯,光是我在说的话一点也不公平嘛
白羽さんの恋愛話も聞きたいわ。
我也想听听白羽同学地恋爱故事~
蘇芳:私…私は…
苏芳:我…
千鳥:匂坂さんと付き合っていたのよね?
千鸟:是在和匂坂同学交往对吧
蘇芳:そ、そうだけれど…
苏芳:嗯…虽然是这样没错啦…
千鳥:匂坂さんは学院を離れたそうだけど
千鸟:不过听说匂坂同学离开学院了?
付き合っていた時キスはしたの?
交往地时候,你们有kiss过吗?
蘇芳:!
苏芳:诶?!
千鳥:うん?何か可笑しい事を聞いたかしら?
千鸟:嗯?这是什么奇怪的话吗?
恋人同士だったのでしょう?
你们曾经是恋人对吧?
蘇芳:っそれはそうだけど…
苏芳:虽然是这样…
千鳥:ならキスぐらいはしたのよね?
千鸟:那kiss这种事肯定做过了吧~
蘇芳:…うん…
苏芳:呜嗯…
千鳥:うん?
千鸟:嗯?
蘇芳:その…しました。
苏芳:嗯…kiss过了
えりか:くそ!随分楽しそうじゃんかよ。
艾莉卡:可恶!看上去真是开心呢
(出歯亀のような真似をして声だけを何とか拾っちゃいるが…)
(虽然像偷窥狂一样尽量不出声…)
えりか:キス?いま「キス」って聞こえるぞ!どういうことだ?
艾莉卡:kiss?刚才听到kiss了对吧?咋回事啊?
千鳥:そうなの、それって白羽さんから?それとも相手から?
千鸟:这样啊,那kiss的时候是谁主动呢?白羽同学?还是对方?
蘇芳:そ、それは…
苏芳:这…这个…
千鳥:その照れ方からすると両方ってところかしら?
看你那害羞的样子~是都有主动过对吧?
蘇芳:私…
苏芳:我…
千鳥:もしかして、その先もしているの?
千鸟:难道…更进一步的事情也做过了?
蘇芳:そ、その先って?
苏芳:更…更进一步的是?
千鳥:(笑い)言わなくても分かるでしょう?
千鸟:(笑)不用说出来也明白的吧~
蘇芳:そ、そんなこと言えません!
苏芳:那种事情才说不出口啦!!!
千鳥:そうなの?後学のために知りたかったんだけど…
千鸟:是吗?为了以后的事情还想参考一下呢…
えりかああ見えておくてだから、私からじゃないと駄目みたいなの。
别看艾莉卡那样,其实挺不主动的,不由我来好像不行呢
蘇芳:そうなんですか?
苏芳:这…这样啊?
千鳥:でも私ってする方よりされる方が好きなの。
千鸟:不过我的话比起啪艾莉卡还是更喜欢被艾莉卡啪呢
やっぱりリードされたいじゃない?ね、白羽さん?
果然还是想被对方引导吧?对吧?白羽同学?
蘇芳:し、知りません!
苏芳:才…才不知道这种事呢!
千鳥:うん?どうしたの、白羽さん?顔が赤いわ。
千鸟:嗯?怎么了?白羽同学,你的脸很红哦?
蘇芳:そろそろ始めましょう。遅くなってしまいますよ。
苏芳:差不多快开始吧,不然会迟的哦
千鳥:あ、そうね。
千鸟:啊,也是。
えりか:始める?おい、一体何を?
艾莉卡:开始?喂?!!开始啥啊?!!
千鳥:ここは…
千鸟:这里是…
蘇芳:あの…手を握って。
苏芳:那个…把手握住
千鳥:ええ。
千鸟:嗯好
蘇芳:なら連れて行って。駄目ですか?あなたを。
苏芳:那带我走吧。不行吗?
(様子を窺っていた耳に決定的な言葉を聞こえ
(窥探到状况的耳朵听到了决定性的话语
胸の中に黒い感情が生まれた。
心中浮现出了黑暗的感情
私の中に不安にも似た恐れが暗い雲の様に沸き立っていた。)
我心中那份类似于不安的恐惧,像乌云一般沸腾了起来
えりか:本当に…千鳥は…白羽と…
艾莉卡:千鸟真的和白羽…
えりか:あれってそういうことだよな。
艾莉卡:这便是这么回事吧…
(昨日東屋で聞いた千鳥と書痴仲間の睦まじい声が、言葉が
(昨天在东屋听到的千鸟和书痴同伴之间和睦的声音、言语
暗く胸の中で渦巻いていた。)
昏暗地翻腾在我的心中
えりか:千鳥が白羽と…?
艾莉卡:千鸟和白羽…?
彼奴は、私と付き合っているんじゃないのかよ。
那家伙…不是在和我交往吗…
(バレエ発表会で互いに互いの絆を確かめ合った
(在芭蕾发布会中确认了双方的羁绊
そう思っていたのに。)
明明应该是这样
えりか:おい…笑ってるんじゃないぞ。
艾莉卡:喂…我可不是在笑啊…
(首を傾げ私を見上げる兎へ悪態をつく、無様だ。)
(向抬头看着我的兔子露出了丑态,真不像话。)
えりか:相手がドンファンだってことに気付いてなかった…
艾莉卡:这是没有察觉到对象是个花心萝卜的我
私の手落ちってやつか?
的失误吗?
(恋愛ってのはこれだっていうルールがない。
(恋爱这种事,并没有一对一的规则
恋人を何人も持ちたい奴だっている。
也有那种同时拥有好几个恋人的人存在啊。
あいつがそうだったってことか。
那家伙就是这种人吗。
しかし、よりによって白羽じゃなくたって……)
可是,搞谁不好非要搞白羽…
えりか 「あ、うっうん、はくちゅ―」
艾莉卡:啊…阿球——
蘇芳 「ふふ、えりかさん、驚いた?」
苏芳:嘿嘿,艾莉卡,吓到了吗?
えりか 「なっ、お前……」
艾莉卡:啥,你啊…
蘇芳 「大丈夫、干し草よ。」
苏芳:没关系,只是甘草而已哦~
えりか 「鼻先をくすぐったのが干し草だったら何が大丈夫だってんだよ。
艾莉卡:用干草挠别人鼻子痒痒算什么没关系啊喂
悪戯なんてらしくない真似するじゃないかよ、白羽。」
搞恶作剧什么的真不像你啊,白羽
(胸を塞ぐ理由である当人を前に、急ぎ、いつもの仮面を被る。
(在让我心烦的当事人面前,赶紧戴上了平时的面具
そして、「名前呼び気安いぞ」と告げた。)
然后,告诉了她“直呼名字什么的太狂妄了”
蘇芳 「いつも驚かされているから、お返しよ。」
苏芳:每次都是我被艾莉卡戏弄,这是报复哦~
えりか 「今回はお前に驚かされているけどな。」
艾莉卡:虽然这次是我被你吓到了来着
蘇芳 「なーに?」
苏芳:什么?
えりか 「いや、こんな所にどうしたんだ。ウサギのご機嫌伺いか」
艾莉卡:没事,你在这里干嘛呢,来看兔子的情况吗?
蘇芳 「何だか八重垣さんが落ち込んでいるように見えたから
苏芳:总觉得八重垣同学看上去很失落的样子
もし何があったのなら、話して欲しくて。」
如果发生了什么的话,也希望你能跟我谈谈呢
えりか 「白羽……」
艾莉卡:白羽…
(「お前が理由だよ」とそう言えればどんなに楽か。)
「你就是理由啊喂!」,要是能这么说的话不知道多开心
蘇芳 「えりかさん?」
苏芳:艾莉卡?
えりか 「名前呼びに戻ってるさ。
艾莉卡:变回直呼名字了哦
だがありがとうよ、友を気遣う感動的な場面だ、今にもロッキーのアイ·オブ·ザ·タイガーがかかりそうだよ。」
不过谢谢啊,这可是被朋友关心的感动人心的场面,现在也像是洛基的老虎的眼睛一样呢(估计又是引了什么典故,没文化不懂)
蘇芳 「ふふ」
苏芳:呵呵~
えりか 「なんだよ。」
艾莉卡:怎么了啊
蘇芳 「ふふ、だって、えりかさんが私のことを友人だって
苏芳:哼哼~,因为,这好像是艾莉卡第一次称我为朋友吧
もしかして初めてじゃない?だから嬉しいの。」
所以觉得很开心哦~
えりか 「そこは選曲がおかしいっていうところだぞ。」
艾莉卡:这里应该吐槽选曲很奇怪才对吧
蘇芳 「私としては感動的だったから、おかしくない選曲だわ。」
苏芳:因为我很感动啦,所以并不觉得是奇怪的选曲哦
えりか 「そうかい。」
艾莉卡:啊是吗。
(してやったりという顔つきの書痴仲間へ、いい悪戯を思いつく。
面对着摆出一副蠢脸的书痴同伴,想到了一个好的恶作剧
頭を悩ませていることも解決できて、一石二鳥というやつだ。)
不仅能戏弄白羽,还能解决掉心中的困惑,所谓一石二鸟。
えりか 「最近、千鳥と仲いいみたいだな。」
艾莉卡:最近你好像和千鸟关系很好的样子啊
蘇芳 「え?考崎さんと?」
苏芳:诶?和考崎同学?
えりか 「だろう?」
艾莉卡:是这样的吧?
蘇芳 「図書室へ本を借りに来てくれるようになったから、前より話していると思う。
苏芳:因为考崎同学来图书馆借书,感觉比起以前说了更多的话
ふふ、それも本好きになって、えりかさんと話題を共有したいからだわ。」
呵呵,这也是为了喜欢上读书,和艾莉卡有更多的话题可聊哦
えりか 「今はそういう心温まる話は脇にどかしておくぞ。
艾莉卡:先把那种温暖人心的话放一边
で、どうなんだ?」
所以?实际上是怎么回事?
蘇芳 「どうって言われても……」
苏芳:就算你要我说怎么回事…
えりか 「わざわざ呼び出して、口にできないことをしてるんじゃないのかな?」
艾莉卡:特意把千鸟叫出来,做了说不出口的事情不是吗?
蘇芳 「うっ、そんなこと……」
苏芳:诶?那种事情…
(白羽は「してないわ」と口にしなかった。それに)
(白羽并没有说“没有做那种事情啊”。并且)
えりか 「目が泳いでいるぞ。」
艾莉卡:眼神游离了哟
蘇芳 「うっ、嘘。あっ、そうじゃなくて。
苏芳:诶骗人的吧…啊不是
ウサギさんが可愛いから、そっちを見ていて……」
只是因为兔子太可爱了,才看向那边…
えりか 「そうかい。まぁ、そいつはいい。
艾莉卡:啊是吗。嘛,那种事情怎么都好
それと全く関係ないことなんだが……もう一つ話があるんだ。
虽然和前面没什么关系…不过还有一句想说的
お前の襟元、でかいバッタがついているぞ。」
你领口上,有一只大蝗虫哦
蘇芳 「え?えっ?」
苏芳:诶?诶????
えりか 「聞こえなかったのか?まだそんな歳じゃないだろう。
艾莉卡:没听清?你还没到那种岁数吧。
よく聞けよ、右の襟にバッタ、トノサマバッタかな。
好好听着哦,我在说你右边的领子上有一只蝗虫,还是说是飞蝗?
でかいのがブローチみたいについてるって忠告したんだよ。」
紧紧趴在上面的样子
蘇芳 「ひっ!」
苏芳:噫!!!
(虫嫌いの白羽は冷凍景になったハン?ソロ船長のごとく
怕虫的白羽像是被冻住的汉索罗船长一样
固まったまま動かない。
被固定住了一动不动
いや、動けないのだ。
不,是动不了吧
少しでも動いたら最後
应该是在想象只要稍微动一下
顔に飛び掛かってくるとでも想像しているんだろう。
蝗虫就会飞到脸上去的情景
ちなみに、バッタがついているのは嘘だけどな。)
顺带一提,有蝗虫粘在领口上是假的来着
蘇芳 「え、えりかさん……」
苏芳:艾莉卡~~~~~~~~~
えりか 「どうした、顔色が悪いぞ。熱中症か?」
艾莉卡:怎么了?脸色很差哦。中暑了吗?
蘇芳 「とって……取って!お願い!」
苏芳:帮我…帮我拿下来!求你了!
えりか 「バッタを?可愛いじゃないか。
艾莉卡:把蝗虫?不是很可爱吗
沙沙貴姉の方にくれてやれば喜ぶんじゃないか。あいつそういうの好きだろう。」
如果送给沙沙贵莓的话她会很高兴的吧。那家伙就喜欢这样的额吧
蘇芳 「あああっ……お願い!お願いよ!」
苏芳:啊啊啊啊啊…求你了!真的拜托你了!
えりか 「ふふ、分かった、分かったよ。それじゃ、取ってやる代わりに質問だ。
艾莉卡:噗…噗噗,知道了知道了。那作为帮你取下来的回报,回答我一个问题
千鳥と仲がいいよな。」
你和千鸟关系很好对吧
蘇芳 「え?ええ?」
苏芳:诶?诶诶?
えりか 「東屋で二人で何をやってたんだ?それを吐いたら取ってやるよ。」
艾莉卡:你们俩在东屋干什么了?告诉我的话就帮你拿下来
(正直、楽な等価交換だと思った。さっさと答えてしまうだろうと。だが……)
(说实话,我觉得白羽应该会觉得这是个不错的等价交换,会马上回答我。不过…)
蘇芳 「い、言えないわ……」
苏芳:不…我不能说!
えりか 「なに?」
艾莉卡:啥?
蘇芳 「た、考崎さんと約束したのだもの。だから、言えない。」
苏芳:因…因为和考崎同学约定好了。所以不能说。
えりか 「千鳥と約束?」
艾莉卡:和千鸟约定好了?
(青い顔をしながらも必死で約束を守ろうとする書痴仲間を見て
(看着即使脸都青了还全力守护着约定的书痴同伴
もしかして……恋愛絡みでは……ない?
难道说…不是恋爱纠纷?
白羽のことだ、二股をかけているのかと問い質されたら、こういう反応じゃない。
因为是白羽啊,如果被质问脚踏两只船的问题,不应该是这种反应
もっと申し訳なさそうな、世界の終わりのような顔をするはずだ。なら……)
应该会露出非常抱歉,好像是世界末日来临了的那种表情。那…
蘇芳 「えりかさん……」
苏芳:艾莉卡QAQ
えりか 「すまなかったな、白羽。もういい。」
艾莉卡:抱歉白羽,已经可以了
蘇芳 「えっ、なにが?」
苏芳:诶?什么可以了?TAT
えりか 「怯えなくてもオッケーってことだよ。」
艾莉卡:不用怕了哦
蘇芳 「虫を取ってくれるのね。」
苏芳:要帮我把虫子拿走了对吧!
えりか 「虫なんていない。」
艾莉卡:才没有什么虫子呢
蘇芳 「えっ?」
苏芳:诶?
えりか 「ブラフだよ。悪戯されたから、仕返ししただけの話さ。」
艾莉卡:骗你的。因为被你恶作剧了,这只是报复哦~
蘇芳 「ほ、本当に?掌くらい大きくて、歯がギザギザで鋭くて
苏芳:真…真的?真的没有像巴掌那么大,喀嚓咯嚓磨着尖牙
血のように真っ赤なバッタはいないよね?」
血红血红的蝗虫对吧??
えりか 「お前の中でどんだけ妄想が膨らんでるんだよ。」
艾莉卡:你脑子里到底妄想了些什么玩意啊
蘇芳 「はっ、もう!」
苏芳:啊…真是的!
えりか 「あっ!!おい!」
艾莉卡:啊!喂?!
蘇芳 「こ、怖かったんだから……うう……」
苏芳:真的很恐怖嘛…呜…>_<
えりか 「ああ…うん…分かった、分かったから。
艾莉卡:啊…嗯…知道了,我知道了
悪かったって。もう二度としない、神に誓う。」
抱歉。再也不会做这种恶作剧了,向神发誓!
蘇芳 「本当に?」
苏芳:真的?>_<
えりか 「ああ……だから、その、抱きしめるのはよしでくれ。」
艾莉卡:啊啊…所以,别在抱着我了好吗
蘇芳 「だめ!まだ怖いんだもの!」
苏芳:不要!因为还很怕嘛QAQ
えりか 「まいったな。押し付けられてる胸の感触で、私のプライドが砕けそうなんだがね……」
艾莉卡:服了你了。压在我腿上的你的胸部的触感,可是要把我的自尊心给全部压碎了啊
蘇芳 「あっ?平気よ。えりかさんの胸もちゃんと感じるわ。」
苏芳:诶?没关系哟。我也有好好地感受到艾莉卡的胸部哦
えりか 「そういう意味じゃいだがね……」
艾莉卡:不是那个意思来着…
(強く抱きしめる白羽の頭を撫でながら……)
(抚摸着紧紧抱着我的白羽的脑袋)
えりか 「うん?」
艾莉卡:嗯?
蘇芳 「ど、どうしたの?まさか……」
苏芳:怎..怎么了?难道??!!
えりか 「虫じゃない。どこからか視線を感じたんだが……」
艾莉卡:不是虫子,只是感觉到某处的视线…
(辺りを見回すも、人影を見つけることはできなかった。
(然而看了看周围,一个人都没有)
だが、まあ。誤解が解けたってことで、よしとしとこうか。)
不过,嘛。既然误会解开了,就算了吧。
千鳥視点
千鸟视点
(白羽蘇芳を初めて見た時、目を疑った。
初次见到白羽苏芳的时候,我甚至怀疑我的眼睛
芸能の世界で生きてきた私から見ても、彼女の美しさは群を抜いていたから。
就算是从这个在演艺圈长大的我的视角来看,她的美丽也是鹤立鸡群的
きめ細やかで真っ白い肌、髪は長く艶やかで、瞳と同じく吸い込まれそうな濡れ色。
细腻又白嫩的肌肤,富有光泽的黑发,像是要把人给吸进去一样的湿润的眼睛
いえ、見目の美しさより、彼女を前にすると
不、比起外表的美丽,在此之上的她还有着
大切に守っていた心の芯の部分を強く揺さぶられるような、危うい美しさなのだ。
像是可以强烈动摇人心的、危险的美丽
だから……えりかが特別視するのも分かる。)
所以…艾莉卡将她视作特别的人这件事我也清楚
蘇芳 「紅茶でいい?」
苏芳:红茶可以吗?
(伺った白羽さんの部屋、カップを用意する彼女へ)
(在白羽的房间里,准备了杯子的她)
千鳥 「構わないわ。」
千鸟:可以哦
(昨日見た、見てしまった。ウサギ小屋でのえりかとのやりとり。
(昨天看到了…在兔子小屋那里的她与艾莉卡的交谈)
遠くからだったから、細かい話までは聞けなかったけれど
虽然因为离得比较远,没听清具体说了什么
あんなに……親密に抱きしめ合って……)
那么…亲密地抱在一起
蘇芳 「どうぞ、熱いから気を付けてね。」
苏芳:请~红茶很烫要小心哦
千鳥 「ありがとう。うっ、美味しい。」
千鸟:谢谢。嗯~好喝
蘇芳 「気に入ってもらえてよかった!立花さんに習ったのよ。」
苏芳:你能喜欢真是太好了!这是从立花那里学来的哟
千鳥 「そう。委員長と仲がいいものね。」
千鸟:这样啊,和班长关系真好呢
(「ええ」と朗らかに笑う。私の前でなぜ屈託なく笑えるのだろう。
(白羽「嗯嗯」地爽朗地笑了。为什么她在我的面前可以毫无顾虑地这样笑着呢
そういえば、彼女は匂坂さんと付き合う前、花菱委員長とも付き合っていたそうだし……
说起来,她在和匂坂同学交往之前,还和花菱同学交往了对吧…
恋多き女というやつなのかしら。)
难道是个多情的女人吗
蘇芳 「大分完成してきたわ。あともう少しね。」
苏芳:大部分已经完成了哦,只剩一小点了
千鳥 「ええ、白羽には感謝しているわ。私だけでは難しかった。」
千鸟:嗯嗯,太感谢白羽同学了,让我一个人来做实在是太难了啊
蘇芳 「そんな!初めての経験ができて、私も楽しかったわ。」
苏芳:哪有哪有,第一次有这样的体验,我也觉得很开心哟
千鳥 「私、借りは作りたくないの。何かでお返しすることはできないかしら?」
千鸟:我不想欠白羽同学的人情呢,有什么想要的回报吗?
蘇芳 「そんな、お返しなんて……」
苏芳:没事的,回报什么的…
千鳥 「私が返せるもの……そうだ、唄なんてどうかしら?」
千鸟:我能做到的回报啊…啊,唱歌怎么样?
蘇芳 「唄?」
苏芳:歌?
千鳥 「ピアノが弾けると聞いているけれど、歌唱することが上手だって聞いてないわ。
千鸟:虽然听说你很擅长弹钢琴,不过唱歌方面似乎并不是特别擅长吧
私が上手に唄えるように指導するのはどうかしら?」
我来帮你变得擅长唱歌,怎么样?
蘇芳 「それは……」
苏芳:那个…
(逡巡している彼女を見て
(看着犹豫着的她
そういえば、学院を去ったという匂坂さんは唄が上手だったのだと思い出した。
说起来…我想起了离开学院的匂坂同学也十分擅长唱歌这件事
借りを作りたくないと、嫉妬から口に出てしまったけれど、考えなしだったろうか?)
说什么不想欠人情,因为稍微有点嫉妒而说出口的话,太欠考虑了吗)
蘇芳 「唄?そうね、せっかくだから、学んでみたいわ。考崎さん、お願いできる?」
苏芳:唱歌啊?也是呢,难得有机会,学学看也挺好的。考崎同学,可以拜托你吗?
千鳥 「ええ、もちろんいいわよ。」
千鸟:诶嗯,当然没问题
(気を遣ったのが馬鹿らしくなるような笑顔を向けてくれた白羽さんへ、
(面对着顾虑着我,露出一脸傻笑的白羽同学
私は肯き、落ち着くために、紅茶を一息で飲んだのだった。)
我点了点头,为了使自己冷静下来,一口气喝光了杯中的红茶
(蘇芳が唄っている。)空遠く、広がる群青、独り浮かぶ浮浪雲。
(苏芳唱):天空高远 广阔群青 孤单漂浮的浮浪云
置き去りにされてる私の心のよう。
那般兀自离群 恰似我的内心
連れて行って穏やかな風にあなたを感じる。
裹挟着和煦的微风 感受着你
差し伸べたこの手を握って。
紧紧握住 你伸出的手
千鳥 「そこまででいいわ。唄も上手なのね。」
千鸟:到这里就可以了,白羽同学唱歌也很擅长呢
蘇芳 「そ、そう?」
苏芳:是…是吗?
千鳥 「ええ、指導し甲斐がないくらい。でも……」
千鸟:嗯嗯,擅长到不需要指导的程度。不过…
蘇芳 「ひゃっ!!」
苏芳:呀!!>/////<
千鳥 「もっと胸を張って唄ったほうがいい。口でなく体全体で響かせるようにするの。」
千鸟:把胸腔打开来唱会更好。不是用嘴、而是将全身都带动起来发出声音
蘇芳 「え、ええ、分かったわ。あの、考崎さん……」
苏芳:嗯、嗯,知道了。那个考崎同学…
千鳥 「なに?」
千鸟:怎么了?
蘇芳 「あの、手が、その……」
苏芳:那个…你的手…
千鳥 「あっ、ごめんなさい。腹筋の具合を確かめようと思ったのだけど、少し胸に当たっていたわね。」
千鸟:啊,抱歉。只是想确认一下腹肌的情况,不小心碰到了胸部。
蘇芳 「うっ……」
苏芳:呜…
千鳥 「それにしても……白羽さん、胸、大きいわね。」
千鸟:不过这么说来…白羽同学,胸好大啊。
蘇芳 「そ、そんなことないと思うけど……」
苏芳:虽然我觉得没那回事来着…
千鳥 「私も大きい方だと思っていたけど、白羽さんも……」
千鸟:虽然自认为也算大的那类,不过白羽同学的似乎更加…
蘇芳 「ひゃっ!あっ、ええ?」
苏芳:咦!啊?诶诶?
千鳥 「うん、やっぱりだわ。私と同じくらい。えりか、大きい方が好きなのかしら?」
千鸟:嗯,果然啊,跟我差不多的程度。艾莉卡是那种喜欢巨乳的类型吗
(学院の夏服は思っているよりも体の線が出る。
(学院的夏季制服比预想中更能凸显身体的曲线
白羽さんの胸を指でなぞり、大きさを確認していると
用手指戳了戳白羽同学的胸,确认了一下大小后
彼女はまるでメデューサに睨まれたように固まってしまっていた。)
她仿佛是被美杜莎注视着一般石化了
蘇芳 「あっ……」
苏芳:啊/////
千鳥 「どうしたの?」
千鸟:怎么了?
蘇芳 「手……手が触って……」
苏芳:手…手碰到了…
千鳥 「ああ、ごめんなさい。もしかして、スキンシップ苦手だった?女同士だからいいかなって思って。」
千鸟:啊,抱歉。难道说不习惯身体接触吗?因为都是女性我还以为没什么
蘇芳 「よ、よくないです。そんなことをしていたら、ご、誤解されますよ。」
苏芳:一…一点都不好啦。做这样的事情会被误会的哦
千鳥 「誤解?ええ、そうね。誤解されるようなことをしているわね。」
千鸟:误会?啊也是,我做了会让人误会的事情呢
蘇芳 「そ、そうですよ!うっ、とにかくダメです!」
苏芳:就、就是啊!呜嗯,总之H是不行的!
千鳥 「でも、誤解されるようなことをしているのはあなただわ。」
千鸟:但是,做出让人误会的事情的人是你才对。
蘇芳 「えっ?……考崎さん?」
苏芳:诶?…考崎同学?
(壁際に彼女を追い詰め、腕で彼女を繋ぎ止めた。
(把她逼迫到墙角,逮住了她的手
真意を探ろうと、目を細めると怯えた。
当我眯起眼睛试图探寻真意时,感到了些许害怕。
少し前に見た映画、キャリーの視線に怯える人等のように。)
就像之前看的电影里,对血腥玛丽的视线感到恐惧的人们那样
千鳥 「あなたは、白羽さんはえりかのことをどう思っているの?」
千鸟:白羽同学对艾莉卡的事情到底是怎么想的?
蘇芳 「えりかさん?」
苏芳:艾莉卡?
千鳥 「あなたも名前で呼ぶのね。」
千鸟:你也对她直呼其名了啊
蘇芳 「あっ……八重垣さんは書痴仲間で……」
苏芳:啊…八重垣同学是我的书痴同伴…
千鳥 「取り繕うようなつまらない真似は止しで!」
千鸟:停止你愚蠢的行为!
えりか 「そこまでだ!」
艾莉卡:到此为止了!
千鳥 「えりか…!?」
千鸟:艾莉卡?!
えりか「お楽しみのようだがな、そこまでだ。白羽をそうしていいのはお前じゃない。」
艾莉卡:玩乐就到此为止了,可以对白羽做这种事情的人不是你
千鳥 「それは……あなただって言うの!?」
千鸟:那种事…你不也做过吗
えりか 「白羽、委員長が呼んでいたぞ。被服室だ、行ってやれ。」
艾莉卡:白羽,班长在找你哦。在服装室,快去吧。
蘇芳 「えりかさん……」
苏芳:艾莉卡…
千鳥 「えりか!!!」
千鸟:艾莉卡!!!
えりか 「このことについて、お前と話すつもりはない。」
艾莉卡:关于这件事,跟你没什么好说的
(子守の鳴き声のような、車椅子が去る音が鳴り
(像是鸟鸣的轮椅离去的声音响起
アミティエの淋しいそうな背に、私は何も言えなかった。)
面对着AMITIE寂寞的背影,我什么都说不出口…
えりか視点
艾莉卡视点
(白羽と千鳥の関係、一度は私の思い違いだと納得した。
(白羽和千鸟的关系,我一度认为是我误会了
したのだが、あともう少しでキスをしようとしていた現場を目にしてしまった私は、混乱した。
虽然曾经以为是这样,但是面对着两人差点要接吻的场面,我凌乱了
恋愛は自由だと考えておきながら、割って入るなんてダサい真似までして。)
做出了一边想着恋爱自由这种事,一边冲进去打断掉这种丢人的事情
千鳥 「えりか、話があるの。」
千鸟:艾莉卡,有话想对你说
(何度か千鳥からそう懇願されることはあったが
(虽然好几次被千鸟这么请求
私は頑なに会話を拒否し、彼女を避け続けた。そして……)
但我很顽固地拒绝对话,逃避着她。然后…
蘇芳 「えっ?ここで朗読するの?」
苏芳:诶?要在这里朗读吗?
えりか 「今なら図書室には誰もいない、迷惑する客はいないだろう。頼むよ。」
艾莉卡:现在的话图书馆里谁也不在,不会有人感到困扰的。拜托了
(いつもならしない気安い頼み、私は千鳥に嫉妬させるため
(平时的话绝对不会做的随意的请求,只是为了让千鸟也感到嫉妒
ここ数日、白羽と過剰に仲良く振る舞って見せた。
这几天,发现了她和白羽的关系过分地好
今も、書棚から私達を盗み見る千鳥のことを知った上で、だ。)
现在也是在知道千鸟就躲在书架后面情况下,拜托了白羽读书)
蘇芳 「いいわ、何を読んだらいい?」
苏芳:好啊,读什么比较好呢
えりか 「そうだな。」
艾莉卡:嗯…
(そして、話は冒頭に戻る。)
(然后,话题回到开头)
えりか:江戸の敵か…嫉妬して貰いたいとか、子供だよな。
艾莉卡:江户的敌人吗…想让对方嫉妒什么的,真是像小孩子一样啊
蘇芳:私がフレンチ扉越しにそういう彼女を目に入れながら近付いて行くと
苏芳:我穿过玄关,一边看着她一边接近她
彼女の方でも私を認めたらしかった。
她似乎也认同了这一点
彼女は無意識に立ち上ろうとするような身動きをした。
下意识地想要动身站起来
が、彼女はそのまま横になり、顔を私の方へ向けたまま
不过,她就那样歪着脑袋,看着我地方向
少し気まり悪そうな微笑で私を見詰めた。
稍微有点抱歉地对着我笑了笑
えりか:白羽を出しにしてまで…
艾莉卡:在白羽念出来之前…
蘇芳:「起きていたの?」私は扉の処で、幾分乱暴に靴を脱ぎながら、声をかけた。
苏芳:「起来了吗?」我站在玄关,近乎粗暴地脱着鞋子,向她搭话了
「ちょっと起きて見たんだけれど、直ぐ疲れちゃったわ。」
「虽然稍微起来了一下,不过马上就觉得累了呢」
そう言いながら、彼女は如何にも疲れを帯びたような、力無げな手付きで
一边这样说着,她用带着疲劳地手法
ただ何んということもなしに手で弄んでいたらしいその帽子を
只是什么都不说,把弄着的帽子
すぐ脇にある鏡台の上へ無造作に放り投げた。
扔向了一旁的镜台
えりか:白羽?
艾莉卡:白羽?
蘇芳:朗読は御仕舞い。
苏芳:朗读结束
えりか:何だよ、これから盛り上がるところだろう?
艾莉卡:怎么了,现在才刚好是高潮吧
蘇芳:聞いていない人が何を盛り上がるっていうの?
苏芳:明明就没有在听,说什么刚好是高潮呢。
えりか:っ
艾莉卡:呃…
蘇芳:朗読なんて本当は聞きたくなかった。違う?
苏芳:其实并不是真的想听朗诵对吧?
(白羽の言葉に書棚へと視線を向けるも、千鳥は既に消えていた。
(听着白羽的话,把视线转向书架,千鸟已经不在那里了
私は溜息を吐くと不承不承頷いた。)
我叹了口气,勉勉强强承认了。)
えりか:音読より黙読派だよ。まあ、お前の声はセクシーで耳に心地良かったけどな。
艾莉卡:比起听人读还是更喜欢默读啊。嘛,不过你的声音很性感听起来也很舒服就是了
蘇芳:考崎さんのことで悩んでいるのね。
苏芳:因为考崎同学的事情在烦恼着对吧
えりか:…
艾莉卡:…
蘇芳:やっぱりそう。えりかさんだけじゃない、考崎さんも様子が可笑しかったわ。
苏芳:果然是这样。不仅是艾莉卡,考崎同学的样子也很奇怪哦。
また喧嘩をしたのでしょう?
又吵架了吧你们俩?
えりか:お前が原因だよ。
艾莉卡:你才是原因啊
蘇芳:私が?!
苏芳:怪我吗?!
えりか:少し前お前の部屋で千鳥が壁際に追い込んで
艾莉卡:前段时间…在你房间,千鸟把你壁咚
その…お前にき、キスをしようとしていただろう?だから…
那个…是打算和你啵嘴吧?所以…
蘇芳:ふふ
苏芳:噗噗
えりか:おい!
艾莉卡:喂!
蘇芳:御免なさい、笑いことではなかったわね。でもそれは誤解よ。
苏芳:抱歉抱歉,这不是什么好笑的事对吧。不过那是误会哦
あの時、考崎さんに兎小屋でほら、抱き着いたことがあったでしょう。
那时候,考崎同学看到了我在兔子小屋那抱着你
それを尋ねられていたの。今のえりかさんみたいに。
是为了问我那件事才把我逼到墙角的。就像现在的艾莉卡一样呢。
えりか:それじゃ私達は…お互いでお互いを…
艾莉卡:那我们是…互相…
蘇芳:誤解し合っていたわけ。私と…その、付き合っているのじゃないかって。
苏芳:误会了。那个…关于对方是否出轨我的这件事情…
(「冗談じゃないぞ」と頭を抱えてしまった。
(一边说着「这可不是开玩笑啊」,一边抱住了脑袋
以前も意地の張り合いでぎくしゃくしたことがあったが、また同じ事をしてしまうなんて。)
虽然以前也有过意气用事而吵架的情况、又重复了同样的事情啊。
えりか:なあ、白羽、誤解を解いて仲直りするにはどうしたらいい?
艾莉卡:呐白羽啊,想要解开误会和好的话,应该怎么做才好啊?
蘇芳:今までの経緯を話して、「御免なさい」をしてハグすればいいのよ。
苏芳:把情况说清楚,好好地说「对不起」,然后给个抱抱就行了
(「それが出来りゃこんな質問はしていない」と。
(「要是能做到那种事就不会问这种问题了」
半に顔に出ていたのだろう、書痴仲間は暫しこめかみに指を添えると。)
用书挡住半边脸,书痴同伴挠了挠头)
蘇芳:(拍手)そうだわ!歌をプレゼントしたらどうかしら?
苏芳:(拍手)这样吧!用歌当礼物送给她如何?
えりか:っえ、歌だ?
艾莉卡:呜诶?歌?
蘇芳:ええ。えりかさんは恥ずかしい真似は出来ないって言っていたけど、
苏芳:嗯嗯,虽说艾莉卡做不出来那种让人害羞的举动
ここまで拗れてしまったんだから、理由を話した後
既然如此,在说明原因后
心の籠ったプレゼントをしないと収まらないと思うわ。
如果不是能表现诚意的礼物,我想应该收不了场吧
えりか:いや、しかし…プレゼントは兎も角、歌は…
艾莉卡:不不但是…礼物就算了,唱歌实在是…
蘇芳:えりかさんが歌に苦手意識を持っていることは知っているわ
苏芳:我知道艾莉卡对唱歌抱有畏难情绪
だからこそ本気が伝わると思うの。
但正因为如此,才更能够传递诚意哦
(珍しく言い切る白羽に、「確かにそうかもしれない」と思ってしまった。
(看着少有地说出如此肯定的话语的白羽,我也有点觉得「说不定还真是这样啊」
思ってしまったのだ。)
えりか:まあ、お前がそこまで押すんだ、やってみるよ。
艾莉卡:嘛,既然你都这么说了,那就做做看吧。
(白羽との歌の練習は率直に言って、地獄だった。
(老实说,和白羽的歌唱练习,简直就是地狱啊
彼奴があれほどスパルタだとは思わなかった。
没想到那家伙的教导如此地斯巴达…
そして、歌詞を作る才能を持っていたことも…)
而且,对于有着作词才能这件事也是…
(自作の歌ってな…気恥ずかしくはあったが、素晴らしい出来だと思う。
(原创歌曲…虽然会感到很羞耻,不过还是让人觉得非常棒
これで、彼奴との関係も…)
这样一来,和那家伙地关系也可以…)
千鳥:遅かったのね。
千鸟:真迟啊
えりか:夜に寄宿舎を抜け出すのは難しいんだよ。
艾莉卡:在晚上出宿舍可不容易啊
駆け足で来るわけにもいけないだろう。
也不可能跑着回来对吧
千鳥:あ…
千鸟:啊…
(夜の聖堂にて呼び出した相手、千鳥はいつもの自虐風冗句に笑うでもなく
(在夜晚的圣堂被约出来的对象——千鸟并没有一如既往地对我的自虐玩笑笑出来
どこか痛ましそうな顔をしていた。)
而是摆出了一副心疼的表情)
えりか:お前を呼び出したのには理由がある。
艾莉卡:把你叫出来是有理由的
千鳥:聞きたくないわ。
千鸟:不听不听,王八念经
えりか:此処で怪談話をするわけじゃない。聞いてくれよ。
艾莉卡:又不会在这里讲怪谈故事。听听吧
千鳥:白羽さんとの事でしょう?ここのところずっと彼女の部屋に入り浸りだったものね。
千鸟:是白羽同学的事情对吧。毕竟你最近经常跑到她的房间里泡着对吧。
えりか:それは…
艾莉卡:那是因为…
千鳥:今更言い訳?それとも恍けるっていうの?
千鸟:事到如今还要找借口?还是说你想装傻吗?
えりか:おい。話を…
艾莉卡:喂,听人把话…
千鳥:そんな話聞きたくなんてない!私…私だって傷付くのよ。
千鸟:那些话我才不想听!我…我也是会受伤的啊。
だって、好きになった人に別の好きな人が出来たって告白されるんだから。
因为…我喜欢的人要对我说她喜欢上别了人…
傷付かないわけないでしょう?そうようね?!
不可能不受伤吧?是这样的吧?
えりか:落ち着けって!誤解なんだよ。
艾莉卡:冷静点你,那是误会。
千鳥:何が誤解なのよ!私と付き合っていたっていうのが誤解だというの?
千鸟:什么误会啊!你想说和我交往这件事情是个误会吗?
えりか:お前、大概面倒くさい女だったんだな。
艾莉卡:(抱)你啊,真是个麻烦的女人啊
千鳥:(泣き声)えりか…止めて…今更抱き締めたからって…
千鸟:(哭哭)艾莉卡…别这样…事到如今再抱我什么的…
えりか:いいから聞け。兎小屋で白羽と抱き合っているのを見たって話だろう?
艾莉卡:好了听我说。是看见了我和白羽在兔子小屋前抱着的事情对吧?
あれは私が彼奴を虫ネタで弄ったから、驚いて抱き着いてきただけなんだよ。
那只是我跟白羽开了个虫子的玩笑戏弄了下她,她被吓趴了抱着我而已
千鳥:嘘!
千鸟:骗人!
えりか:本当だ。私もお前のことを誤解していた。
艾莉卡:是真的。我也误会你了啊…
白羽の部屋で彼奴に迫っていたのも、キスしようとしていたんだと思っていた。
你在白羽房间逼问她的时候,我还以为你是要去吻她。
でも誤解だって白羽から聞いたよ。
但是从白羽那里听说了,那是误会
千鳥:図書室で仲良くしてたわ。
千鸟:明明在图书馆也亲密得不得了。
えりか:あれは…その…し、嫉妬だよ。
艾莉卡:那个是…那个…嫉…嫉妒…
キスを迫っていたように見えていたから、意趣返ししてやろうって。
因为以为你要强吻白羽,想报复一下你而已…
千鳥:分かった。でも、それが誤解だって分かっていたのに
千鸟:知道了。但是你明明都知道那是误会了
ずっと白羽さんの部屋に入り浸っていたじゃない。
还是一只往白羽同学的房间跑不是吗
えりか:それは…白羽から提案されたんだよ。
艾莉卡:那个是…白羽的提案
ここまでぎくしゃくしたからには、何かプレゼントして仲直りするべきだって。
误会到这种程度的话,不拿出点诚意是没法和好的…什么的
それで…歌をって…
然后…做了一首歌…
千鳥:え?歌?歌って、歌を?
千鸟:诶?歌?歌是?那个歌吗?
えりか:ああ、自作の奴だ。彼奴、歌詞を作る才能まであったんだな。
艾莉卡:啊啊,原创的歌曲。那家伙,似乎连作词的才能都有啊
千鳥:(笑い)
千鸟:(笑)
(抱き締めたままの千鳥の体が揺れ、不安から見上げてしまった。
(抱着千鸟摇摇晃晃的身体,不安地抬头望向她
だが、見上げた千鳥の目は強張りが解け、笑みで溢れていた。)
不过,眼中映出的千鸟的眼里已经没有了倔强,而是满溢而出的笑意)
千鳥:そう…そういうことなのね。私達白羽さんにいっぱい食わされたんだわ。
千鸟:原来是这么回事啊。我们被白羽同学摆了一道啊。
えりか:あ?そりゃどういうことだ?
艾莉卡:哈?你在说啥?
千鳥:少し前私が白羽さんと東屋へ遊びに行っていたことがあったでしょう?
千鸟:不久之前我不是和白羽同学一起去东屋玩了吗
(頷く。そもそも誤解をした始まりだ。)
(点头,那就是误会的开始啊)
千鳥:あれは白羽さんと私とで歌を作っていたのよ。
千鸟:那是我在和白羽同学一起作曲啦。
えりか:何?
艾莉卡:啥?
千鳥:二人で歌詞を、曲を考えて。
千鸟:两个人一起想歌词、想曲子。
えりか:それじゃもしかして…私が白羽と練習した自作の歌っていうのも…
艾莉卡:难道说…我和白羽一起练习的原创歌是…?
千鳥:(笑い)私からえりかへのプレゼント。誕生日、何も贈ってなかったでしょう?
千鸟:(笑)那是我为艾莉卡准备的礼物哦。你生日的时候,我不是什么都没送你嘛
えりか:私への…贈り物?
艾莉卡:给我的…礼物?
千鳥:えりかから髪飾りを貰ったわ。だから今度は私。白羽さんに何がいいか相談したのよ。
千鸟:因为从艾莉卡那里收到了发饰。这次轮到我送艾莉卡东西了。于是去找白羽同学商量送什么好。
えりか:そうか…(笑い)確かに、白羽にしてやられたってわけだ。千鳥は私への誕生日のプレゼントとして歌は。
艾莉卡:这样啊…(笑)确实被白羽摆了一道啊。千鸟给我的作为生日礼物的歌是…
千鳥:えりかは仲直りのプレゼントとして同じ歌を贈ろうとしていたのね(笑い)。
千鸟:和艾莉卡送给我的和好之歌是同一首呢(笑)
(抱き合ったまま、二人で笑い合った。
(就这样抱着,两人一起笑了
体中から嫌なものが溶け出し、すべて消化するような笑い。
心中的埂塞消除,所有事情都豁然开朗地笑了
この学院に入って、いや、何年かぶりに、こんなに屈託なく笑えただろうか。)
从进入这所学院起、不、从多少年前以来,已经没有这么毫无顾虑地笑过了啊
千鳥:えりかの歌、聞きたいわ。
千鸟:艾莉卡的歌,好想听。
えりか:千鳥の歌もな。
艾莉卡:我也想听千鸟的歌。
蘇芳視点
苏芳视点
(聖堂の仄かなステンドグラスの明かりの中、抱き合う二人を見て
(看见了在圣堂中被彩色玻璃所映出的昏暗地光所照耀着的相拥着的两人
私は彼女たちが通じ合ったのだと感じた。
我感受到了那两人的心意相通
とても深く、とても静かに。かつてこの場所で私とマユリがそうだったように。)
极为深刻,极为平静。仿佛曾经在这里的我和真由理一样)
えりか:いつまで覗き見している気だ?
艾莉卡:想偷窥到什么时候?
蘇芳:えりかさん。
苏芳:艾莉卡
えりか:お前には色々言いたいことがあるが。
艾莉卡:虽然有一堆话想对你说来着
千鳥;貴女に頼みたいことがあるの。
千鸟:有想拜托你的事情
蘇芳:分かっているわ。
苏芳:我明白的哦。
(聖母祭で爪弾いたように、私はあの時以来触れていないピアノへ。)
(就像圣母祭那时候那样呢,我向着从那时候开始就再也没有触碰过的钢琴…)
えりか:白羽…
艾莉卡:白羽…
蘇芳:もう平気よ。弱い私は私の好きなあの子が連れて行ってくれた。だから、もう大丈夫。
苏芳:已经没关系了哦。那个弱软的我,已经被我喜欢的那个人带走了。所以,已经没关系了。
(現場に指を添えると、背に、頬に、マユリの息遣いを感じた。もう恐れることはない。)
(在这里将手指放上钢琴,背上也好,脸上也好,都能感受到真由理的气息。已经没有什么好怕的了)
蘇芳:二人とも、準備はいい?
苏芳:两位,都准备好了吗?
えりか:ああ。
艾莉卡:啊啊
千鳥:ええ。
千鸟:嗯嗯
蘇芳:心を合わせて始めましょう。夏空の光。
苏芳:开始了哦。夏空之光
夏空の光~ピアノバーション
(えりか)高い場所に
(千鳥)届く前に
(合)弾けて消えた
(えりか)シャボンの色
(えりか)窓の外に
(千鳥)腕を伸ばし
(合)もう少しで
(えりか)届くものも
(千鳥)諦め
(えりか)どんな時でも
(千鳥)守られていた
(えりか)それでも何時かは
(合)この場所から
(千鳥)飛び立つ日が来る
(合)空遠く
(えりか)広がる群青 (千鳥)揺れる (合)独り浮かぶ浮浪雲
(えりか)置き去りにされてる (千鳥)そう
(えりか)私の (合)心の様
(合)連れて (千鳥)行って穏やかな (えりか)優しい (合)風に貴女を感じる
(千鳥)差し伸べた (えりか)はや 伸ばす (合)この手を (えりか)いま (千鳥)握って
(千鳥)暑く照らす
(えりか)日差し避けて
(合)隠れた影に
(千鳥)貴女の声
(えりか)不意に触れた髪の匂い
(えりか)熱を帯びた (千鳥)熱を帯びた
(えりか)この気持ちが
(合)震える
(えりか)目も合わさずに
(千鳥)擦れ違ってた
(えりか)俯く日々から
(合)顔を上げて
(えりか)向日葵の様に
(合)夏空が (千鳥)遮る物なく (えりか)強く
(合)私を見詰めるように
(千鳥)貴女の真っ直ぐな (えりか)その
(千鳥)言葉で (合)変われるの
(合)守り (えりか)たいと思った (千鳥)その
(合)初めて生まれた心が
(えりか)寄り添った (千鳥)寄り添える今
(えりか)眩しく光って
(ピアノ)
(合)空高くこの手を伸ばした届きそうな雲見上げ
(合)今ならば掴める七色の輝き
(合)連れて (えりか)行って穏やかな (千鳥)優しい
(合)風に貴女を感じる
(えりか)差し伸べた (千鳥)この
(合)恋を繋ぐ
(千鳥)夏の空 (合)何時も私を見詰めてくれる
(千鳥)貴女の真っ直ぐな (えりか)その
(千鳥)言葉で (合)変われるの
(合)守り (えりか)たいと思った (千鳥)その
(合)初めて生まれた心が
(えりか)寄り添った (千鳥)寄り添える今
(えりか)眩しく光って
(恐らくフックマン事件が契機だったのだろう、あの事件を経て
(恐怕勾爪男事件是契机吧,经过那次事件
相棒が、考崎千鳥が怪奇譚を好むと分かってから。)
从知道我老婆,考崎千鸟喜欢怪谈这件事开始…)
千鳥 「次はえりかの番よ。」
千鸟:轮到艾莉卡了哦
(消灯し、月明りだけの薄ぼんやりとした闇夜の中
(关掉灯,在月光照耀的朦胧的暗夜中
互いに怪談話を披露することが多くなったのは……)
互相给对方将怪谈故事这事开始慢慢变多…)
千鳥 「もう寝ちゃった?」
千鸟:已经睡着了吗?
えりか 「顔を覗き込むな!あんなおっかね話聞いて寝られるほど神経図太くねよ。
艾莉卡:别凑过来看我脸!听了那些故事睡得着才怪了
病院嫌いになったらお前のせいだぞ。」
要是我变得讨厌医院了可都是你的错啊
千鳥 「ふふ、それなら看病が必要ね。」
千鸟:诶哼哼,这么看来艾莉卡需要让我来看一看病呀
えりか 「あっ、こっちのベッドに移ってくるな!何のつもりだ?」
艾莉卡:呃,别跑我床上来啊!你想干啥?
千鳥 「今度はえりかの怖い話を間近で聞くためよ。」
千鸟:这次是为了近距离地听艾莉卡讲恐怖故事哦
えりか 「そんなにくっつかなくても聞こえるだろうが。暑いんだから少し離れろよ!」
艾莉卡:靠得那么近就听得到了吧。很热来着离我远点
千鳥 「いやよ!ほら、話して。」
千鸟:不要嘛,来来快讲
えりか 「しょうがない奴だな。まぁ、そうだな
艾莉卡:真拿你没办法啊。嘛,这样吧
実体験の後に又聞きを話すのは心苦しいが、姉から聞いた話を披露することにしよう。」
虽说实际体验后再讲出来会有点难受,给你讲一个从姐姐那里听来故事可以吧
千鳥 「お姉さん?変わり者だっていうあの?」
千鸟:姐姐?就是你说的是个怪人的那个姐姐吗?
えりか 「いや、長女の方さ。」
艾莉卡:不,是长女那位。
千鳥 「えー、なんだか意外ね。話を聞いていると、オカルトなんて信じなそうな人のに。」
千鸟:诶~,总觉得很意外呢。从你的话里来看,总觉得那位是个不会信怪谈故事的人啊
えりか 「だから逆に信憑性が増すってもんだろう。これが次女から聞いた話なら眉唾だが
艾莉卡:正因为如此可信度才高不是吗。这要是从二姐那听来的话倒是另当别论…
上の姉から聞いた怪奇談だから、背筋が凍ったよ。」
因为是从大姐那听到的怪谈,让人脊背发凉啊。
千鳥 「期待できそうね。」
千鸟:看了可以好好期待一下呢
(そう告げると、狙っていたかのように、雲間が月を隠した。
(这样说了以后,像是看准了时机一般,云将月光挡了起来
部屋に真の闇が訪れる、月籠りだ。
房间里迎来了真的的黑暗,也就是月隐。
そして、月が欠ける刹那、アミティエの口元は、夜明け前の三日月のような笑みを浮かべていた。
然后,月缺的瞬间,AMITIE的嘴边浮现出了夜明前的新月一般的微笑。
蒸し暑い部屋の温度さえ、下がった気がする。)
有种酷热房间里的温度都降下了了的感觉)
千鳥 「えりか?」
千鸟:艾莉卡?
えりか 「ああ、話すよ。こいつを聞いたのは、今から四年ほど前のことだ。
艾莉卡:啊啊,那我说了。听到这个故事是差不多四年前的事了。
姉が高校二年生の頃の話だったな。長女がバレエを習っていたってのは話しただろう。」
是大姐还是高中二年级的时候告诉我的。跟你说过大姐也有在练习芭蕾的事情对吧。
千鳥 「ええ。」
千鸟:嗯嗯
えりか 「姉はバレエで食っていくつもりだった。だから一つの教室で習っているだけじゃなく
艾莉卡:大家打算精进芭蕾。所以不仅仅会在舞蹈教室练习
長期休みの時は、合宿にも出て、練習に励んでいた。」
还会在长假期间参加合宿,勤奋练习
千鳥 「一人の師だけではなく、様々の踊りを吸収するためね。」
千鸟:不仅仅在一个人的门下学习,为了学习各种各样风格的舞蹈对吧
えりか 「まぁ、そういうことなんだろうが。
艾莉卡:嘛应该就是这么一回事吧
高二の夏も、バレエ教室の講師の勧めで、とある場所へ合宿に赴いた。
在高二的夏天,她被芭蕾教室的老师劝说,到了某个地方去进行合宿
夏休みをバレエ漬けにするためにな。」
把暑假全都献给了芭蕾呢。
千鳥 「最高だわ。」
千鸟:真棒啊
えりか 「いい歳した女の夏の過ごし方じゃないと思うがね。
艾莉卡:虽然我并不觉得这是正值大好年华的女生度过暑假的正确方法来着
まぁ、その教室は割と高名な講師が務めていたのか、姉のような変わり者が何人も教えを受けに来ていたそうだ。
嘛那间舞蹈教室有一位非常有名的教师,也有好几名像大姐那样的怪人在那里学习就是了
そして、皆教室そばの民宿を常宿にしていたんだな。」
然后,大家就在教室旁边的民宿住下了。
千鳥 「民宿?」
千鸟:民宿?
えりか 「うん?お嬢様だな。知らないのかよ。
艾莉卡:嗯?你还真是大小姐啊,这都不知道吗
まぁ、イメージとしては、二階建ての大きな日本家屋を想像してくれりゃいい。」
嘛,从印象来说的话,想象成二层的日本式小楼就行了。
千鳥 「なんだか楽しいそうね。」
千鸟:总觉得会很开心呢
えりか 「姉は神経質だから、襖だとプライベートが保てないとか
艾莉卡:因为大姐比较敏感,要是住的地方没有隔间或者是私人空间
皆で雑魚寝とかは苦痛だったらしいけどな。
和大家一起睡的话会觉得很难受。
練習はハードだったそうだよ。
听说练习非常辛苦哦
寝食を共にする練習生が一人、また一人と、櫛が抜けていくみたいに消えてたそうだ。
一起参加合宿的练习生们一个又一个地,像被拔掉的梳子一般消失了
いつも合宿はハードだったが、今回は特にきつかったらしい。
虽说合宿总是很辛苦,但这次似乎尤为严重
講師がスパルタだったんだな。普通そういう場合は、練習生同士結託するもんだが
教师的教育非常斯巴达呢。一般来说的话,练习生大家都会一起吐槽的吧
疲れとライバルというのもがあってか、あまり仲良くはならなかった。
不过有疲劳这个对手存在,大姐似乎并没有和其他人相处得很好
代わりに、民宿のお婆さんさんと仲良くなったそうだ。」
相反地,和民宿的婆婆关系很好的样子
千鳥 「お婆さん?」
千鸟:婆婆?
えりか 「千鳥に分かるように言うなら、ホテルの支配人、女将みたいなもんさ。
艾莉卡:用千鸟能听懂话说的话,就是像旅馆的房东、老板娘一样的人吧。
民宿の責任者だよ。姉はあれで如才ないから、年上には好かれるんだよな。
是民宿的负责人哦。别看大姐那样,其实还挺圆滑的,似乎很招长辈喜欢啊
まぁ、仲良くなったのは子供好きってのもあるんだが。」
嘛,变得关系好也有大姐喜欢孩子的原因吧
千鳥 「子供好きってどういうこと?」
千鸟:喜欢孩子是怎么回事?
えりか 「その民宿で、お婆さんの娘の子供、孫を預かっていたんだよ。
艾莉卡:在那个民宿里,婆婆女儿的孩子,也就是婆婆的孙子被寄养在那里的
二歳の双子の赤ちゃんだ。何でもシングルマザーで、繁忙期の間預かっていたそうだけどね。」
是一对两岁的双胞胎宝宝。似乎是单亲家庭,母亲在工作繁忙时期会把孩子托给婆婆照顾。
千鳥 「二歳って、赤ちゃんって言うのかしら?」
千鸟:都两岁了,还能叫宝宝吗
えりか 「そっちに食いつくんだな。私も詳しくないから、赤ちゃんの定義ってやつは知らない。
艾莉卡:关注点不对啊。我也不清楚详情,不知道宝宝的定义是啥。
まぁ、随分と大人しい子供だったそうだよ。
嘛,是两个很温顺的孩子哦
それで、姉の話では、言葉を覚えるのが少し遅い印象だって言っていたな。
然后根据大姐的话来说呢,给人一种学会说话稍微比较晚的印象
なんでも二歳くらいになると、単語を繋ぎ合わせた二語文くらいはなんとか喋れるらしいんだが……」
不管怎么说,二岁的孩子至少应该能说出二语文吧
千鳥 「二語文って?」
千鸟:“二语文”是什么?
えりか 「『ママ、あれ』、『いぬ、いる』みたいなやつさ。
艾莉卡:就是像『ma ma、na ge』、『you、xiao gou』这样的有两个单词的一句话
でもその子供はまだ一語文だけしか喋れなかったって。」
但是那个孩子除了一语文还什么都不会的样子
千鳥 「つまりママ、パパだけってことね。」
千鸟:也就是只会说“妈妈”,“爸爸”对吧?
えりか 「そういうこと。姉は子供好きだから、お婆さんと一緒に面倒を見ていたそうなんだよ。
艾莉卡:就是这么回事,因为大姐喜欢小孩,所以帮着婆婆一起照顾了他们的样子
夏休みいっぱいの合宿だ、何日も顔を合わせて世話をしていると
因为是整个暑假的合宿,宝宝在见了几次面说了几次话之后
顔を覚えて、ママとか言われて、嬉しかったってさ。」
记住了大姐的脸,还会喊“妈妈”,很开心的样子哦
千鳥 「なんだか微笑ましい話ね。」
千鸟:总觉得是让人微笑的事情呢
(声を弾ませる千鳥へ、「ここからが本題なんだよ」と、声を潜ませた。
(向千鸟说着“接下来才是正戏”,让声音沉了下来
これが怪奇談だと分からせるように。)
为了让她知道,这可是在将怪谈故事。)
えりか 「面倒を見ている日が多くなると、姉を信頼したのか、お婆さんがいない時ってのも出て来た。
艾莉卡:随着大姐帮忙的日子增多,大姐也越来越被信赖,终于也有了婆婆不在大姐单独照顾的时候
姉一人で、双子の赤ちゃんをあやしている時だ。
那是大姐一个人抱着双胞胎的时候
そして二人っきりになると、ある言葉をよく言うようになったんだな。」
两人独处的时候,宝宝可以好好地说出某句话
千鳥 「もしかしてそれって呪いの言葉とか?」
千鸟:难道说是诅咒的话吗?
えりか 「不吉な言葉じゃない。決まった一語文だ。
艾莉卡:不是什么不吉的话。而是决定性的单词
片方の赤ちゃんが『あめ』と言うと、もう片方の赤ちゃんが『ふる』ってさ。
一个宝宝说“下”,另一个宝宝说“雨”。
で、その言葉を聞くと、必ず雨が降ったそうだ。」
如果听到他们这么说,似乎一定就会下雨。
千鳥 「えっ!?それって予知じゃない、凄いわ。」
千鸟:诶?这不就是预知能力吗?好厉害
えりか 「姉は始め信用していなかった。
艾莉卡:大姐一开始是拒绝相信的
たまたま繋がった単語が意味が通る言葉になっただけだって。だが……」
只是偶然说出的单词连在一起有了意思而已。不过…
千鳥 「予知は当たったのね。」
千鸟:预言都说中了对吧
えりか 「ああ。だけど合宿は夏休みだから、通り雨、夕立が多いだろう。
艾莉卡:嗯嗯,不过因为是暑假合宿,阵雨、暴雨都会很多对吧
だからだろうって思ったそうだ。
正是因为如此吧…大姐曾这样想过
でも、その後も二人っきりになると、『あめ』『ふる』と。」
可是,在那以后只要两人说出“下”“雨”
千鳥 「その言葉が出たときだけ、雨が降る。」
千鸟:只有在两人说了那句话之后,才会下雨。
えりか 「ああ。何度も言い当てられ、オカルトを信用してない姉も
艾莉卡:啊啊,说中了好多次,本来不相信超自然能力的大姐
その一語文を繋げて言われた時は、傘を持って行ったそうだよ。随分助かったそうだ。」
也会在听到那两个字连起来后带上伞再出门。似乎是被帮了很大的忙呢
千鳥 「いい話だわ。」
千鸟:这不是好事吗
えりか 「だが、それだけじゃ終わらない。」
艾莉卡:但是,并不仅仅是这样
千鳥 (ごっくり)
千鸟:(咽口水)
えりか 「その頃になると、朝一番で双子の赤ちゃんの元へ行った。予言があるかどうか聞くためさ。
艾莉卡:那时,大姐会每天早上第一时间去双子的身边,确实他们是否会给预言
二人っきりになっても言わない時もあれば、言う時もある。その日は『あめ』『ふる』と告げた。」
两人独处的时候有事会说,有时也不会说。那天大姐听到他们说了“下”“雨”
千鳥 「傘の出番ね。」
千鸟:轮到伞的出场了呢
えりか 「ああ、いつもなら。だが、その日の『あめ』『ふる』はどうもおかしく聞こえたそうなんだ。」
艾莉卡:啊啊,如果跟往常一样的话会是这样吧。不过那天的“下”“雨”听上去无论如何都很奇怪
千鳥 「二語文が言えるようになったとか?」
千鸟:变得能说有两个单词的句子了之类的?
えりか 「そういう微笑ましい話じゃない。
艾莉卡:不是那种让人开心的事情
姉が言うには、『あめ』は『あめの』、『ふる』は『くる』に聞こえたそうなんだ。」
按照大姐的话来说“雨”变成了“雨的”,“下”变成了“会来”的样子。
千鳥 「くる?」
千鸟:“会来?”
えりか 「その一語文も、いつもとは声の響きもおかしかったし
艾莉卡:不仅是那句话,宝宝的声音跟平时相比很奇怪
得体の知れないものに触れたようにぞっとしたって。
像是碰到了什么不明物体那样毛骨悚然的声音
姉はあやすのもやめて、急いで傘を持って教室へ向かった。
大姐也停止哄他们,急匆匆地带上伞往教室赶去
背中に張り付いた冷気を振り払うように、いつも以上に練習に熱を入れた。
像是要摆脱窜上脊髓地寒气一般,比平时更加努力地练习了起来。
そして、練習を終え、帰ろうとすると……」
练习结束准备回公寓时
千鳥 「夕立が来たのね。」
千鸟:暴雨来了对吧
えりか 「ああ、姉はほっとしたと言っていたよ。
艾莉卡:啊啊,大姐感到放心了哟。
『あめの』『くる』は、自分の聞き違いで、いつもの『あめ』『ふる』だったんだってさ。
“雨是”“会来”是自己听错了,双胞胎说的是和往常一样的“下”“雨”
持ってきた傘を差し。夕闇が迫る、雨で濡れた道を行き、民宿へと戻った。
撑开带来的伞。黄昏迫近,沿着被雨打湿的街道,往民宿走着
そうしたら……雨は止み、民宿の玄関先で、掃除をしているお婆さんがいた。
然后…雨停了,在民宿的玄关处,婆婆在那里打扫着。
姉は挨拶をし、お婆さんととりとめのない雑談をした。
大姐打了个招呼,和婆婆聊起了有的没的的杂谈。
その中で、傘に目を止めたお婆さんが
在那期间,把视线停留在伞上的婆婆说道
『お嬢ちゃんは島のものではないのに、雨が降るのをよく分かるね。』そう言ったのさ。
“小姑娘你明明不是岛上的居民,真亏你能知道会下雨呢”
姉はその言葉を受け、悩んだ。」
大姐听到了这话,感到十分苦恼。
千鳥 「何を?」
千鸟:苦恼什么?
えりか 「真実を語るか否か、だ。人によったら、気持ち悪い話をするなって怒られることもあるだろう。
艾莉卡:苦恼是否说出真相。有的人会觉得这是让人感到不舒服的话而对大姐生气对吧?
なんせ、大事な孫に対しての話だ、だから姉は迷った。
不管怎么说是跟重要的孙子们有关的事情,所以大姐迷茫了
口籠り、不審な目で見るお婆さんへ、結局、話すことにしたのさ。
闭口不谈,用怀疑的目光看婆婆。最后还是决定跟婆婆讲
今朝方のなんとも言えない気味の悪さを一人で抱えられなかったんだろうな。
估计是无法一个人承受早上的的事情带来的不适感吧。
誰かに話して共有したかったんだろう。だからお婆さんへ
会想和谁说一说,和别人一起分担这份感受对吧。所以对婆婆说了
事前に雨が降ることが分かるのは、双子の赤ちゃんのおかげだと話した。」
会事先知道要下雨,是多亏了双胞胎所说的话
千鳥 「それで?」
千鸟:然后呢?
えりか 「姉の予想に反して、お婆さんは怒るどころか、興味深そうな顔をして
艾莉卡:和大姐的预想相反,婆婆不但没有生气,反而一边摆出一副意味深长的表情说道
『そういう事もあるものなんだね』と頷いた。
“这种事情也是有的呢”一边点了点头
だが、そこで終われない。
不过,事情并没有结束
姉は共有してもらいたかったんだ
大姐是想和人共享的是
耳にしたあの言葉を。
今早传入耳朵的那句话
だから、今日は違ったんですと続けた。」
“所以,今天和平时不一样”像这样继续了下去
千鳥 「『あめの』『くる』ね。」
千鸟:是『あめの』『くる』呐
えりか 「ああ。『あめの』『くる』。そう聞いたお婆さんの顔色がさっと変わったそうだよ。
艾莉卡:啊啊。是『あめの』『くる』。听到这事的婆婆的脸色一下就变了。
そして『雨野(あめの)さん』と呟いた。」
然后喃喃说出了“雨野”…
千鳥 「えっ?ましかして近所の人の名前を赤ちゃんが覚えていたってこと?」
千鸟:诶?难道是宝宝记住了周围的人的名字?
えりか 「いや、そうじゃない。
艾莉卡:不,不是这样的
お婆さんが呟いたのは今いる玄関の先、塀の入り口に雨野さんを見かけたせいだったんだ。
婆婆喃喃地说,是因为在玄关前,围墙地入口那看见了雨野的原因
お婆さんの視線に誘われるように、姉も振り向いて、深く帽子をかぶったお爺さんの姿を見た。」
随着婆婆的视线,大姐转过头,看见了一位戴着深色帽子老爷爷的身姿
千鳥 「近所の人が来たのね。」
千鸟:是邻居过来了对吧
えりか 「姉もそう思った。なんだ、近所の人かって。
艾莉卡:大姐也是这么想的。什么嘛,原来是邻居啊。
姉は雨野さんに会釈をして、不意にお婆さんに抱きしめられた。頭を抱えられるようにしてね。
大姐向雨野打了个招呼,突然被婆婆抱住了脑袋一样
ひどく強い力で、頭は動かせない、視線はお婆さんの服しか見えないって状況だ。
被非常强的力气抱住,脑袋动不了,变成了只能看见婆婆衣服的状况
『どうしたんですか?』と声を出そうとしたその時、『見たらいけん!』。」
“怎么了?”,当姐姐出声问到的时候。“不可以看!”
千鳥 「ひっ!!」
千鸟:噫!!
えりか 「『雨野さんは一月前に亡くなってる。見たらいけんよ。』
艾莉卡:雨野先生在一个月前就死了,不能看他哦。
どれくらい頭を抱えられていたのか分からない、ただ、随分長く感じたそうだ。
不知道头被抱住了多久,只是感到经过了很长的事件。
しばらくしたら強張った腕を放してくれたそうなんだが……」
过了一会,虽然感到抱着自己的手臂松开了…
千鳥 「なに?」
千鸟:什么?
えりか 「私は思うんだよ、姉が言った『しばらくしたら放した』って。
艾莉卡:我在想啊,大姐说的“过了一会就放开了”
こいつは想像だが、雨野さんは塀の入り口で、じっと佇んでいただけなのかなってさ。」
虽然这只是我的想象,雨野站在围墙的入口,只是一动不动地站着而已
千鳥 「あっ。」
千鸟:啊…
えりか 「もしかしたら、お婆さんに会うために、ひたひたと近づいて来たんじゃないのか。
艾莉卡:或许,为了与婆婆相见,一点一点地靠近过来了吧
姉の背のすぐそばまで来ていたんじゃないのかって。
不会已经来到姐姐地背后了吧?之类的
ずっと頭を抱えていたのは、雨野さんが帰るまで
婆婆一直抱着姐姐的脑袋,直到雨野先生离开
姉を振り返らせないようにさせていたんじゃないのかなってね。」
不是为了不让姐姐回头而做的吗?
千鳥 「双子の赤ちゃんが『あめの』『くる』って呟いていたのだものね。」
千鸟:因为双子说了“雨野会来”呢
(千鳥が私の妄想を引き継いだ。
(千鸟延伸了我的妄想
双子の赤ちゃんしかいない静かな畳敷きの居間には、三つの影があるのだ。
本应只有双子存在的安静的房间里,现在却有三个身影
一語文だけしか言えない赤子と、雨野さんが。)
那是只会说单词句子的双子和雨野
千鳥 「それで、お姉さんは?」
千鸟:然后呢?大姐怎么了?
えりか 「夏休み中きちっと合宿をやり終えて帰ってきたよ。
艾莉卡:坚持完成了合宿,回来了。
私なら真似できない。すぐ家に戻る。」
我可学不来,一定会马上逃回家的
千鳥 「そしてその話をえりかにしてくれたのね。」
千鸟:然后就把刚刚那些话告诉艾莉卡了呢
えりか 「夏休み何か面白いことはなかったって聞いた時にね。
艾莉卡:当我问她暑假有没有什么好玩的事情的时候
風呂に一緒に入っている時だった。
一起洗澡时告诉我的
頭を洗うのが億劫になったよ。」
搞得我连头都不想洗了
千鳥 「そういう意地悪なのは遺伝なのね。」
千鸟:这种恶作剧的行为估计是遗传吧
えりか 「お返しに『夜眠れない』って言っていた時、姉が合宿に行っている間
艾莉卡:为了报复一下就说了大姐去合宿期间,深夜睡不着时
次女と体験した面白い話をしてやったよ。」
听说的二姐经历过的有趣的事情。
千鳥 「面白い話って?」
千鸟:有趣的事情是?
えりか 「いや、笑えない話、だな。聞いた姉はさらに寝不足になった。私の話はこれでおしまい。」
艾莉卡:不,是那种听了笑不出来的话哟。听了那些的大姐更没睡好了。我的怪谈故事到此为止。
千鳥 「えっ!?次女と体験したっていうお話聞きたいわ!」
千鸟:诶?!我还想听二姐经历了什么!
えりか 「それは次の楽しみにしておけよ。それに、こいつを聞いたら、眠れなくなっちまうぞ。」
艾莉卡:那个就留到下次吧。而且啊,听了这个可真会睡不着的哦。
千鳥 「そんな!」
千鸟:怎么这样!
えりか 「それに明日は、早く寄宿舎を出た方がいい。『あめ』『ふる』って言っていたからさ。」
艾莉卡:而且明天最好早点离开宿舍哦。因为他们说了“下”、“雨”啊。
『フラワーズ』サウンドドラマCD 怪談夜話 その三
『FLOWERS』Sound Drama CD 怪談夜話 其三
专辑信息
1.「夏空の光」/「怪談夜話-其の三」
2.夏空の光(erika&chidori ver.)