歌词
さて、先生も日向(ひなた)ぼっこでもしてこようかな。
いやいや、タバコなんて吸いませんよ。
今日もよく晴れてるな。絶好の昼寝日和(ひより)だ。
眠くなってきた。眠っちゃダメ?怒られちゃったな。
冗談だよ。君を置いて、勝手に一人で眠ったりしないから。
本当本当。それじゃ、
昼寝のかわりに、先生とクイズをしてくれませんか?
そう、クイズ。ああ、大丈夫、
そんな難しいものじゃないから。
では、まず、第一問、僕の名前はちゃんと覚えていますか?
そう、正解。僕は丹下 縁(たんげ ゆかり)といいます。
では、次の問題です。僕の仕事はなんでしょう。
はい、また正解。僕の仕事は学校の先生です。
県立名古屋高校という高校で数学を教えています。
それでは、続いて第三問、僕はどこで住んでいるでしょう。
はい、またまた正解。僕は愛知県の名古屋市に住んでいます。
ちゃんと君が先生のことを覚えていてくれて、ほっとしました。
覚えてて当たり前?そうか。うれしいな。
先生も君が僕のクラスの生徒だった頃のことをちゃんと覚えていますよ。
生徒のことは一人一人皆可愛いと思ってるけれど、
君はほかの子たちとはすこし違う意味で、印象強い子だったから。
あ、いや、何でもないよ。気にしないで。
君が転校してしまってから、ずいぶん経ったけれど、
名古屋高校の皆は相変わらずだよ。
相変わらず毎日元気で、賑やかで、優しくて。
僕が給料日前でお腹を空かせていると、
よくこうばいで小倉トーストで奢ってくれます。
あ、これは教頭先生には内緒にしておいてください。
生徒にお世話になってるなんて知られたら、
怒られちゃうから。
もちろん、そこまで頻繁にお世話になっている
わけじゃなくて、偶にです。
偶に、ね。
そうそう、小倉トーストっていうのは、先生の大好物のあれです。
ほかの地域だとあまり売られていないんだかな、もったいないな。
あんなに美味しいものを気軽に食べられないんなんて。
愛知はおいしい食べ物がたくさんあるからね。
味噌カツに手羽先、きしめんに天むす、
エビフライなんかも美味しいし。
先生は愛知の名物はなんでも大好きですよ。
「名物に旨い物なし」なんて言うけれど、
愛知だけは例外だと思ってます。
君も愛知の食べ物が好き?
そう?僕と同じでうれしいな。
君が愛知に来たら、
その時は一緒にたくさん美味しいものを食べよう。
え?そうか。君が遊びに来る時までに、
ちゃんとお金を貯めておかないといけないね。
ほかにもいろんな場所に連れて行きたいな。
名古屋の科学館にね。
世界一の規模の大きさの立派なプラネタリウムがあるんだ。
そこで星空を眺めるのも楽しそうだよね、
あと、名古屋城の天守閣に登って、
天下を取った気持ちになるのもいいかもしれない。
あ、名古屋城は分かる?
そうそう、金のしゃちほこが目印のあれです。
尾張藩主、徳川義直の居城で、
戦争でほどんと壊れちゃったんだけど、
天守閣と正門だけは再建されているんです。
実は僕も外から見るだけで、中に入ったことはないんだけど。
展望室から眺める町の景色はなかなか見応えがあるそうだよ。
なんて、歴史の先生みたいだな、僕。
でも、もっと教え子と個人的にお出かけするなんて、
教頭先生に知られたら、怒られちゃいそうだな。
というわけで、ほかの人には内緒で、
先生と社会見学っていうことにしておいてください。
君と並んで、町を歩けるその時を、
楽しみにしているよ。
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