歌词
隠れんぼする者、この指止まれ」
粘稠 柘榴 赫月 二十二週目の悪阻の晩に
踏段軋る襖の向こう 肉の嗚咽を掻き毟る
「もういいかい?」「まだだよ」
「もういいよ」捻れ捩れ廻る腫瘍
肉壁を抉り刺し掻爬き剥がす様に
何度も何度も逆手に遡上
赤黒く下垂した双頭の胎児
声なき細い裂手が掴んだ
浴槽 汚穢 五月雨 這い寄る蛆は初潮の晩に
蹂躙の痣 六畳の染み 後ろの正面 螺子の蟲
「もういいかい?」「まだだよ」
「もういいよ」嬲り舐り啜る絲引き
剥き出した粘膜を貪る破瓜は
滴る鮮紅に裂けた柔襞
組み敷いた実父の悪臭に爛れて
五月蠅の埋め尽くす思春期
朦朧と錯落の回環に揺曳し狂悖する溷濁は 剥離 故に 増殖
朦朧と錯落の回環に揺曳し狂悖する溷濁は 輪廻する十三夜
「もういいかい?」「まだだよ」
右左の間に滑り堕ち垣間見える様に
何度も何度も掻爬き剥がす手が…
玩弄の籠の聲 いついつ出やる
歪に歪む糜爛の百合
組み敷いた舌を噛み千切り吊して
ならんだ ならんだ あか しろ きいろ
赫黒い肉塊は押入れの奥
臍帯で括り戸を閉めた。
夜明けの晩に咲いた
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