祭果ての花

手鏡に映した 今は昔の面影

君を想いながら「花」を探す旅路

止まらない時計に

過ぎた記憶を重ねて

途切れた糸を巻く

指が追憶を描く

俯いた 終わりゆく祭りの

（足元にある思い出が）

跡形が散らばる

（風景に 懐かしい ）

落ちていた小箱を拾い上げて

中を覗けば

きらり…闇に光る星一つ

今も変わらず照らし続けていた

（ずっと照らし続け）

夜露を弾った

（輝いた）

荊棘も優しく包む

（魔法の 果てで）

夢の果てを

痛む傷あどさえ愛おしく

（見届けるまでは）

永遠を感じた

（秘め事を集めた部屋も）

幼な子の頃の哀しみ手繰り

（振り返らず）

私はここで眠る

幻に囁く…，

「君は何処にいますか？」

「行き先違えても同じ空を見ています」

目覚めれば

（ひと時の温もり 寂しさ残る）

辿っても

思い出を忌避することでしか

空っぽの

癒せない世界を

降り止まない雨に溶かして

ゆらり…霧に揺れる灯火が

尚も鮮やかなまま心を燃やす

（赤いまま心を）

焦がしはじめても

（届かない）

嵐に佇む花と出逢い

私と出逢い別れ

（そして）

霞む約束さえ愛しく

手放した花よ

花片に封じた

目印の星の彼方に

幼な子の頃の憧れ乗せて

舞い上がりて

愛する君へ届け

とうに消えていった影法師

今は終わった祭り囃子のよう

（過ぎた祭り囃子）

あの時ふたりで解いた結び目の跡

（残響を）

両手でなぞる度に

（なぞりながら）

欠けた月がやがて満ちる時

（輝ける朝が訪れて）

優しい風が吹く

（背中を押した）

それぞれの道に新たな種の

（まだ知らない）

「花」は無数に咲くと