蝶をちぎった少女

指先に夢の断片を

集めて星に

変える少年に見とれていたわ

金色の蝶が夜空に

散らしたラメが

あなたの瞳光り宿した

むせるような夏草の頃ね

胸の奥で二人口づけしてた

偶然に触れた胸の

白い柔らかさ

眼を伏せたまま黙り込んだね

青い夏が手のひらの中で

ブラウス越し終り告げたのね

蝶の羽音　遠ざかる記憶

あなたはそっと手を耳に当てた

羽をちぎられた揚羽が

そして私の胸に止まる

長い魔法を

解かれた見知らぬ大人が

私の肩を抱いて

不思議そうに見つめてるわ